来季の巨人・小林誠司捕手(29)を待ち受けるのは、原辰徳監督(60)がかつて仕掛けた非情の二塁手争いの再現かもしれない。

小林は3日に都内の球団事務所で契約更改。600万円増の来季年俸6000万円(金額は推定、以下同)でサインした。
「自分の力不足。まだまだ信頼を勝ち得ていない」。今季は6月末から約1カ月間も先発を外れるなど、昨季まで2年連続で達した規定打席に届かなかった。

4年ぶり再々登板の原監督の評価はシビア。今秋キャンプ中には小林に打率・240のノルマを課しつつ、
「もう5年目か。もう打てないかと思えば腹も立たない」。今季も同・219にとどまった貧打がクローズアップされがちだが、
強肩で鳴らす守備でも及第点を得ていないのは、今オフの補強でも明らかだ。

西武からFAとなり、3年総額5億円で加入した炭谷銀仁朗捕手(31)は、平均打率が・212。
打力は同・215の小林とドングリの背比べだが、入団会見で指揮官は「経験値、グラウンドでの存在感」などをたたえ、
「今の巨人の捕手陣で先頭に立つ」とお墨付きを与えた。
一方で小林ら現有戦力では「日本一を狙うには時期尚早」と一刀両断されている。

第3次政権の発足に際し、真っ先に手を着けたのが扇の要。
実は第2次政権の立ち上げでも、生え抜きの牙城だったセンターラインにメスを入れている。
正二塁手の仁志敏久内野手(当時34)を標的に、ロッテからゴールデングラブ賞常連の小坂誠内野手(当時32)を金銭トレードで獲得して差し向けた。

結果は共倒れ。2006年は2人とも打率1割台に低迷したが、指揮官の方針は明白だった。
二塁先発は小坂が59試合、仁志は故障もあり28試合にとどまった。
構想外の現実を受け止めた仁志は同年オフにトレードを志願し横浜(現横浜DeNA)へ。人気も高い生え抜き選手の流失はG党に惜しまれた。

来季正捕手争いでも、原監督が開幕から炭谷を優先起用し、小林が雌伏のときを過ごすのは想像に難くない。
「すごく厳しくなるが、しっかり現実を受け止め力をつけて勝負していきたい」

この逆境で粘り腰を見せ昨春のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)日本代表で炭谷から正捕手を奪ったように、巨人でも下克上を果たせるか。
あるいは日本生命の先輩でもある仁志の悲劇を再演し、熱狂的な女性ファンの涙を誘う結末を迎えるのか。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181205-00000008-ykf-spo
12/5(水) 16:56配信