プロ野球はペナントレースの最終盤を迎えているが、阪神の観客動員が伸び悩んでいる。リーグ2位だった昨季は7年ぶりに300万人を突破し、
12球団トップの集客を誇ったが、今季は4日現在、主催67試合で276万1081人で、最終的に290万人を下回りかねない状況。金本監督は
続投方針だが、就任3年目で観客動員はワーストになる可能性がある。チームの低迷に加え、雨天中止が多かった影響が出ている。(丸山和郎)

 チームは4日のヤクルト戦に敗れて2年ぶりのBクラスが確定。金本監督は4年目となる来季に向けて意欲を語り、球団も続投方針を示している。

 しかし、観客動員では苦戦している。甲子園の観衆は9月27日のDeNA戦が3万709人。10月1日のDeNA戦も空席が目立ち、
2万8961人にとどまった。いずれも雨天中止による振り替え試合で入場券の販売期間が短かったことが影響している。甲子園での主催試合はあと
4試合残っているが、中止になった9月26日のDeNA戦の代替試合はまだ日程が発表されず、販売が始まっていない状況。スタンドを満員にするのは
至難の業だ。

 それでも、リーグ優勝を決めた広島や西武の観客動員が過去最多を更新する勢いであることが物語るように、チームが強ければ客足も球場に向く。
営業担当者も「甲子園で勝ってくれれば、ファンも喜んでくれるはず」と祈るような思いで話すが、今季は甲子園での成績が19勝37敗2分け。
とくに後半戦に入ってからは4勝17敗1分けという惨状で、一度もリードできないまま敗れる試合が多い。金本監督も「本当にファンに申し訳ない。
何とかいい姿を見せたい」と繰り返す。

 監督就任1年目の2016年の観客動員は291万562人だったが、その数字に到達するためには1試合平均で約3万7400人を集める
必要があり、“消化試合”が増えれば、その目標からも遠ざかってしまう。

 4日のヤクルト戦で球団最多の2065安打を放った鳥谷の記念グッズの販売を5日から開始するなど営業努力を続けているが、ファンが喜ぶ試合を
みせることがチームにとっての最大の責務。まだシーズンは終わったわけではない。

産経新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181005-00000558-san-base
プロ野球 阪神対DeNA 試合前、空席が目立つスタンド=1日、甲子園球場(山田喜貴撮影)
https://amd.c.yimg.jp/amd/20181005-00000558-san-000-1-view.jpg