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事務所に入って23年

 いつもは沈黙は金とばかりに口を閉ざすあの人が……。そう、ジャニーズ事務所のジャニー喜多川社長(86)が、感謝の弁を公にしたのは異例のこと。9月12日、所属タレントのタッキーこと滝沢秀明(36)が、芸能界引退を発表。ジャニー氏から後継を打診され、その意思を継ぐと宣言したのである。

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 タッキーの決断を、スポーツ紙をはじめ日頃は芸能情報を大きく扱わない全国紙やNHKまでもが、一斉に報じたのはご存じの通り。

 その中身を総じてみれば、昨年9月に活動を休止していた人気デュオ「タッキー&翼」は、今井翼(36)が病気の治療に専念するため解散を決断。相棒のタッキーは、12月のディナーショーを最後に引退するというもの。今後はジャニーズ事務所で、舞台演出や後進の育成に専念するようだが、

「一部のマスコミは、経営権を巡り内紛が起きると騒いでいますが、事情を知る人間からみたら笑い話ですよ。ジャニーさんの後を継ぐことは前から決まっていた。いわば既定路線なんです」

 とは、ジャニーズの内情に詳しい舞台業界関係者だ。

「13歳でジャニーズ事務所に入ったタッキーは、ジャニーさんが最も精力を注ぐ舞台などの仕事を主軸に活動してきました。テレビでもNHKの大河ドラマ『義経』で主役を張るなどして演技力を磨いてきましたが、メインは舞台の世界。新橋演舞場で史上最年少座長となった『滝沢演舞城』をはじめ、2010年から続く『滝沢歌舞伎』では、主演をこなしながら演出も担当。いわば作り手の側、プロデュースに専念するジャニーさんの背中を見て育ってきたので、会社の経営に参画することはあり得ません」

■“産みの親”と比較

 実際、過去のインタビューでの発言をたどっても、

〈芸能界に入って、裏方の人たちの仕事を見て、いろんなことに興味を持ちました。監督業には興味があります。(中略)いずれやりたいなっていう思いはすごくありますね。裏方こそ、自分のすべてを出し切れるんじゃないかって思うんです〉(「女性自身」16年12月13日号)

 などと、自分のあるべき姿を公言してきたという。

 さるキー局幹部はこう振り返る。

「事務所に入って2、3年目の時から、タッキーは当時120名ほどいたジャニーズ Jr.のリーダーを任されていたからね。今でもJr.メンバーの名前はすべて頭に入っていて、自らテレビ局に売り込んでいる。面倒見がいい先輩として、人望も厚いと聞いています」

 その最たるものは、ジャニー氏の誕生会だそうで、

「ジャニーさんの誕生会をプロデュースするのは、責任感の強いタッキーの役目なんです。会場やプレゼントの手配をはじめ、マッチなどの大先輩に出席を依頼したり、すべてを仕切る大役を任されています」(同)

 とはいえ、先の業界関係者はこんな懸念も口にする。

「ジャニーさんでさえ、たのきんトリオなどを見出し、事務所を軌道に乗せることができたのは50代になってから。まだ30代半ばのタッキーは、あらゆる場面で“産みの親”と比較されていくことになるでしょう」

 年明け以降、ジャニー氏に随伴するというタッキーは、その“重圧”を撥ね除けることができるだろうか。

「週刊新潮」2018年9月27日号 掲載

10/1(月) 5:56配信 デイリー新潮
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