富山県高岡市がつくった市民の歌「ふるさと高岡」について、「歌詞が男だけを強調・賛美している」と市民団体が指摘、
廃止を求める事態となった。市は歌詞の変更や追加の検討を始め、作詞した作家の林真理子さんも「手直しのお手伝いはする」と協力する意向を示している。

「ふるさと高岡」は、周辺自治体との合併後の新市発足10周年に合わせ、市が2015年に発表。
全国公募で優秀賞に選ばれた県内外からの3作品をもとに林さんが作詞、作曲家の三枝成彰さんが曲を手がけた。

その歌詞をめぐって今年8月下旬、男女平等社会を提唱する団体「シャキット富山35」が、
市男女平等問題処理委員会に苦情を申し立てた。

2番に「御車山(みくるまやま)を 曳(ひ)いてくる 男たちのりりしさ あなたの父も兄もいる」という部分がある一方、
全編を通して女性についての言及がないと指摘。

「男だけを強調・賛美する歌を歌う影響は子どもらにとって大きい」と訴えている。
「御車山」は、高岡市で毎年5月1日に開かれる「高岡御車山祭」で市内を回る山車。御車山を曳くのは男性に限られている。

団体の世話人代表の山本夕起子さん(66)によると、今回の問題提起は、別の団体が各地の自治体などがつくった歌を調べていて
「ふるさと高岡」の歌詞の内容に気づいたのがきっかけ。

「ふるさとの歌に『母』など女性が全く出てこないのは考えられない。
市はまず、歌詞に女性の視点が欠けていることを認め、歌を廃止するべきだ」と山本さんは話している。
https://www.asahi.com/articles/ASL974WTHL97PUZB00M.html

高岡市民の歌「ふるさと高岡」
https://www.city.takaoka.toyama.jp/syoubun/shise/gaiyo/song.html