プロ野球ドラフト会議が約1カ月後に控えている中、高校や大学で活躍する選手たちが人生の岐路に立ち、今まさにその判断を下そうとしている。プロの眼から見た進路における重要性は何なのだろうか。

本人の気持ちを一番尊重すべき。周りの大人はあらゆることを想定し助言を

プロ野球ドラフト会議を10月25日に控え、学生に義務付けられているプロ志望届の提出が始まった。

意外な名前を見かけたりもするが、一方で、進路決定にまだ悩んでいる選手たちもいる。
人生を左右する決断であるからじっくり考えてもらいたい。今回は進路に悩む選手たちがどういう選択をすればいいかを話したいと思う。

高校生で悩んでいる選手の多くは、大学や社会人へ進む決意をしていたが、夏の甲子園予選や甲子園で活躍し、高卒でドラフト指名の可能性が浮上したというケースだろう。

プロの世界に憧れ、子供のころから目指してきた選手からすれば、指名の可能性があるなら挑戦したいと思うのは当然だ。

基本的には本人がプロに挑戦したいというのであれば、その気持ちを一番に尊重してあげるべきだと思う。
やるのは本人なので、1度しかない人生、頑張ろうとしている選手は送り出すのがいい。

だが、周りの大人までが選手と同じ目線で興奮気味になるというのはあってはならない。あらゆることを想定して選手たちにアドバイスする立場であることを忘れないでほしい。

ある選手がイメージするプロ野球選手像が何十年も1軍のレギュラーとして活躍するというものならば、大人の判断としての見立てをしてあげないといけない。
3年後、5年後、10年後、どのような困難が待ち受けているかを話す必要がある。

プロというのは、毎年のように“10年に一人の逸材”と呼ばれる選手が入ってくる世界だ。
その競争に勝ち残れるか。本人が二の足を踏むようなら、大学や社会人に進む道を説明すればいい。

プロは選手の替えがきく。抜きん出たものはあるか?平均的に優れているか?

高卒でプロに行くべきか、大学や社会人に行くべきかという判断は簡単ではない。
だが、私はある一点で抜きん出たものがあるか、またはあらゆる要素が平均的に優れている選手かどうかで変わってくると思う。

誰が見ても抜きん出たものがあるというのは魅力的で、スカウトも黙ってはいない。

一方、すべての要素で平均的なレベルを備えている選手というのは欠点がないため使い勝手は良い。しかし、このタイプの選手は毎年のようにいるため、いつでも獲得できるとも言える。

悪い言い方をすると、プロは選手を使い捨てするところがある。
イマイチ伸びが悪いなと思うと、平均的な選手はまた取ればいいとなってしまうのだ。つまり、替えがきくということだ。

そう考えると、抜きん出たものができあがるまでの期間として、大学や社会人に進むという選択肢もあってもいいのではないか。

本当に優れた選手は、高校から直接プロに入っても活躍していたと言えるだけのものを大学4年間で見せつけられると考える。

大学で伸びなかった選手に対して、高卒でプロ入りした方が良かったと指摘する人もいる。だが、そういう選手はプロでも伸びないと思う。
大学で数字を出せない選手がプロでも芽がでるはずはないと思うからだ。プロで通用するなら、大学レベルでも普通にやりこなせるものだ。

大学や社会人に進んだことよって得られるのは、プロに入った時点である程度の水準の選手だと認めてもらえることだ。プロ入団後、レギュラーに近い位置でスタートを切れるのは大きい。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180919-00010001-baseballc-base
9/19(水) 11:50配信