スポーツ庁の鈴木大地長官が1日、体操の2016年リオデジャネイロ五輪女子代表の宮川紗江選手(18)がパワーハラスメント被害を告発したことを受け、「弱い立場の選手たちが声を上げることは大事。スポーツ界をクリーンにする意味では正しい方向」と語った。また、選手ら現場の声が届きやすいようにソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用した相談窓口の設置も検討していることを明らかにした。

 この相談窓口は、トップ選手が対象で、相談内容など秘密は厳守される。14年1月から日本スポーツ振興センター(JSC)は専用電話とメールで対応してきたが、相談件数は昨年度まで19件にとどまる。鈴木長官は「相談する側が勇気を出せない状況にも問題がある」と指摘し、新たな連絡方法に選手らが日常的に親しむSNSを加えるという。

 スポーツ庁では6月にも不祥事対策として、教育・研修の強化▽公正・迅速な調査と説明責任の履行▽相談体制の充実−−など4項目からなる「長官メッセージ」を公表した。しかし、その後も不祥事が後を絶たず、鈴木長官は「各競技団体や大学にメッセージを伝えたが、選手レベルまで伝わっていない」と不満をのぞかせた。【田原和宏】


9/1(土) 19:31配信 毎日新聞
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