もうひとつ、大きな理由として、親なら誰もが考えることだが、“自分ができなかったことを子供にやってほしい”という思いがあるようだ。

「学業の分野で、何か人より秀でたものを持ってほしい、という思いがあるのではないでしょうか。とくに芸能人の場合、自身は勉学よりも芸能活動を優先させてきた人が多いですから、自分が学べなかったもの、なし得なかったことを子供には与えてあげたいという傾向が強いかもしれませんね」

 名の知れた芸能人ともなると持ち合わせているであろう、豊かな財力も関係する。インターナショナルスクールの授業料は、一般的には年間、約200〜250万円、海外留学は行き先で大きく異なってくるが、約150〜700万円といわれている。

「インターも留学も、親に経済力がないと実現できません。つまり自分と同じ著名人やセレブの子供たちが集まるわけで、親が芸能人であるというだけで変に注目されたり噂されたりする事態が少ないことも保護者としては楽なのでしょう。そもそも、インターや留学先では、親が芸能人だと知らない父兄や子供が多いでしょうからね」

 芸能人にとってはメリットが多いインターナショナルスクール通いや海外留学。今後も、子供をバイリンガルにさせたがる芸能人は増えていきそうだが、こうした流れに碓井さんはこう注文をつける。

「今年4月から小学校で英語教育の義務化がスタートしました。グローバル化に伴い、幼いうちから英語を学ばせようという流れはますます加速するでしょう。ただ、英語ができることがすばらしいのではなく、英語を使って何をするのかが大切です。芸能人に限らず言えることですが、インターや海外留学することの先までを見据えて、しっかり吟味する必要があると思います。日本の学校でしか学べないことも、たくさんあるはずですから」