夏の長期ロードも最終コーナーを回りました。神宮でのヤクルト戦を終えると中日3連戦(ナゴヤD)、巨人3連戦(東京D)でフィニッシュですね。17日のヤクルト戦(神宮)は2−3の敗戦でしたが、それでも7月27日から始まったロードでは京セラ5試合を含めて9勝7敗。このコラムで何度も書きましたが、現在の戦力編成では土と天然芝で外野の広い甲子園球場よりも人工芝で本塁打の出やすいビジターの方が戦いやすいのでしょう。
「阪神の選手は逆に甲子園球場に対する苦手意識が芽生え始めている。なんとかしないといけない。ホームゲームで勝てないとシーズンの戦いは厳しい」と阪神OBは話していましたが、8月28日以降、甲子園球場で6連戦(ヤクルト、DeNA)でどんな戦い方を見せるのか。甲子園球場で借金9という数字の改善が即、求められます。
求められる…といえば金本監督には重大な責務を残り試合で果たすことが求められています。それも3つ−。
まず(1)は残り44試合で最低でも24勝20敗の成績を残し、勝率5割以上での2位確保です。首位・広島とは11・5ゲーム差ありますが、2位のヤクルトとはわずか1・5ゲーム差(すべて17日現在で)。もう十分に射程圏内です。
2位に入ればCSのファーストステージの開催権を得ます。最低でも2試合を甲子園球場で戦うことができ、観客の入場収入やテレビの放映権料など大きな収入になります。逆に3位のAクラス入りとなってもCSの開催権を得なければ、それこそCSを最後まで勝ち抜き、日本シリーズに出場しない限りは球団の収入は大きく増えません。
昨季のDeNAは3位でCS進出し、日本シリーズ出場権を得ました。ただ、3位からの日本シリーズ出場はそう簡単ではないことが、過去のデータで見て取れます。
さらにCS出場権の2位確保と同じくらい、いやそれ以上に重みがあるのは勝率5割確保です。
なぜか? 金本監督は今年で監督就任3年目です。過去の2シーズンは初年度の16年が64勝76敗3分、2年目の昨季が78勝61敗4分です。今季の最終成績が借金で終わると、監督3年で2度も勝率5割を切ることになるのです。
2003年に優勝して辞任した星野監督以降、阪神の監督は岡田監督、真弓監督、和田監督と続きます。岡田監督は監督初年度の04年だけ勝率5割を切りましたが、残り4シーズンは全て勝率5割をクリアしました。退任したシーズンも82勝59敗3分。巨人に逆転優勝された責任を取っての辞任でした。
真弓監督は監督初年度と3年目の2度、勝率5割を切り退任しました。和田監督は4年目の15年に2度目の負け越しとなって退任しています。つまり勝率5割を2度切った真弓、和田両監督はそのシーズンを最後にユニホームを脱いでいるのです。
「やはり勝率5割を確保できたかどうかが、監督の手腕を測る物差しになる。真弓監督も和田監督も2度目の負け越しの時にチーム内外から批判が出て退任した。監督としての能力を疑問視されると注目度の高い阪神では監督を続けることができないんだ」とは阪神OBの言葉です。
こうした前例を見れば残り44試合での24勝はマストの条件となるような気もします。金本監督は監督2年目が終わった昨季のオフ、新たに年俸2億円の3年契約を締結していて、今季の成績にかかわらず来季も指揮を執ることが決まってはいます。しかし、真弓監督も退任したときは契約を後1年残していました。スンナリと契約通りに来季に向かうためには、是が非でも勝率5割死守…が求められるのです。
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産経WEST
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