8/8(水) 7:00配信
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“新アンガールズ”? 山根会長が激白「ワシは組員やない。田中先生は男や」〈週刊朝日〉

 助成金の不正流用や試合での不公正な審判など次々と「疑惑」が浮上した日本ボクシング連盟。そのトップである山根明会長(78)のワンマン体制の下、「連盟を私物化している」と333人の日本ボクシング連盟の関係者が文部科学省などに告発状を提出したことが明らかになった。

 告発状には、12の問題点が記され、「今回の告発状に書ききれなかったものもあり、これからその数は増える」と告発者の一人は言う。

 山根会長は告発事実のうち、2016年のリオデジャネイロ五輪代表、成松大介選手の240万円の助成金を他の選手にも振り分けるように命じたことについては、「私が3人で分けろと指示した」と本誌の取材に答えた。そして告発状については「あれ、全部ウソや!」と声を荒らげて否定した。

 自身の進退については「なんでやめなアカンのや」と語気を強める。

 問題発覚以来、沈黙していた山根会長は突然、テレビなどに出演して反論し始めた理由をこう語った。

「元暴力団のM組長が連盟の幹部に『山根に3日以内に辞めるように言え。そうしないと過去をばらす』と伝え、脅迫してきた。だから、立ち上がった。ワシは組員ではない」

 名指しされた元暴力団組長Mさん(81)は、本誌にその経緯をこう語った。

「山根は若い時からワシの子分やった。組を結成してからは、組員。10年以上も組におった。3日以内に辞めろと人を通じて伝言したのは、トップの山根のせいでこれだけ多くの選手や指導者が疑問を感じ、迷惑している。何十年もワシの下にいた山根は弟分や。晩節を汚さんようにと、弟分を思って声をかけた。脅しやない」

 告発者の一人、日本ボクシング連盟の元理事で山根会長の秘書役でもあった澤谷廣典氏もこう話す。

「山根会長は自身が暴力団員であったことを親しい人には隠すことなく『抗争のときは指揮役をやった』などとしゃべっていた。五輪競技でもあるボクシング連盟のトップがこんなことを公言していいのかと疑問に思ってました」

 元暴力団組長以外にも山根会長との関係が話題になっている人物がいる。

 危険タックル問題で揺れる日大のドン、田中英寿理事長(71)。本誌は2人の“蜜月”ぶりを証明する動画を独占入手。撮影されたのは15年ごろで「第93回全国学生相撲選手権大会」で日大相撲部が団体優勝をした際の祝勝会での一コマだ。

 田中理事長夫妻の隣に、真っ白なスーツ姿の山根会長が立ち、「よいしょ」と仲良く樽酒の蓋を木槌で割る姿が映っていた。

 山根会長は12年ごろから日大「桜門ボクシング会」常任顧問を務め、今年4月から日大の客員教授にも就任している。前出の澤谷氏によれば、数年前から、知人の紹介で田中理事長と親しくなった。

「田中先生とは昔からの知り合い。向こうは相撲を五輪競技にしたいと頑張っており、田中先生は男や。ワシが日大桜門ボクシング会の常任顧問になり、より親しくなった。田中夫人が経営するちゃんこ鍋屋にも行ったよ。そんな縁で田中理事長から客員教授になってほしいと推薦があったようで、OKしたんや」(山根会長)

 ところが、山根会長は、まったくボクシング経験がないという。

「山根とは60年以上の付き合いやが、ケンカは人より強い。しかし、ボクシングなんてやったことない。連盟の会長になってからもワシを何度も訪ねてきて、他の役員と一緒のときもあった。なんで指導者、会長なんか不思議に思っていた」(前出の元暴力団M組長)

 一方、山根会長はこう反論する。

「父親がボクシングジムをやっていた。選手ではなかったが手伝っていた。素人なら連盟の会長になれない」

 盟友の田中理事長も追い詰められている。日大の元副総長ら4人が会見を開き、田中理事長含む理事32人全員に対して辞任を要求した。元副総長はこれまでに田中理事長に会見を開くよう直接、促したという。

 だが、田中理事長は「俺は何も悪いことはやっていない。だから皆の前で謝る必要はない」と拒否したという。厚顔で無敵な2人のドンの行く末はいかに……。(今西憲之)

※週刊朝日  2018年8月17-24日合併号

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180807-00000048-sasahi-spo
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