【球界ここだけの話】

 猛暑は収まらずとも、熱パの炎は9月を待たずに消えるかもしれない。ペナントレースは佳境に入ってきたが、開幕から首位を走る西武の勢いは、とどまることを知らず。残り49試合。勝負は「蒸し風呂」「サウナ」とも称される本拠地メットライフでの戦いが鍵を握りそうだ。

 「夏場はビジターの方がいい。練習が(ホームチームよりも)あとで、外にいる時間が短い。ギリギリまでホテルで休めるし」とは辻監督。灼熱(しゃくねつ)の北九州では山川が「熱くないですよ。メットライフに比べれば」と言い切った。

 18時開始のナイターの試合前練習はホームの場合、14時頃から始まるが、山川、森らは昼過ぎからグラウンドに降りて体を動かしている。猛暑の今季はナイターの試合開始時点でも気温は32、33度あり、恥ずかしながら約2時間、練習を眺めているだけの筆者も2週間ほど前に熱中症にかかってしまった。

 「野球人生で、一番ヤバイですね…」と、メットライフのマウンドを表現したのは開幕前にトレードで阪神から加入した榎田だ。5日の日本ハム戦は5回4失点。8勝目を挙げたが「普通は三回で汗が一度、引くんですけど、五回でも引かなかった。アンダーシャツは毎回替えました」と振り返った。

 この試合は3点を追う二回に中村が同点3ラン。さらに五回には外崎が決勝3ラン。2位・日本ハムを振りきり、3連戦の勝ち越しを決めた。「あのなかで打って走って、野手はすごいと思う。ファームの直射日光の暑さとは違って、体の中から汗をかく感じです」。

阪神ではこの時期、高校野球に甲子園を明け渡していたため本拠地で真夏の登板はなかった。「実際に体験するのは違う」と、メットライフの高温多湿の環境に強烈なインパクトを抱いたようだ。

 後半戦に入り、メットライフではここまで8勝4敗だが、前回優勝した2008年も9月に入り、優勝を目前に4連敗と苦しんだ。残り18試合。若獅子たちの汗だくの奮闘を健康に留意しながら追いたい。(花里雄太)

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