「会長特別席」に陣取る山根氏は、判定にも大きな影響を与えていたという。審判に“八百長判定”を事実上強要するもので、
奈良県など関西出身の選手に有利になることから「奈良判定」とも呼ばれている。

 ある県連の審判員だった男性は数年前の一件をこう振り返る。奈良県代表の選手が出場した試合を裁いたが、
「試合が始まると明らかにその選手は多くのパンチを受けていたので体調も考慮してレフェリーストップをかけた」。

すると試合後に会長席に呼ばれ、山根氏から「おまえのレフェリングがおかしい」「なぜ途中で試合をやめたのか」と迫られ、
「われ、コラ。アホ、ボケ、カス」と暴言を浴びせられたという。

 中には、次の日にいなくなっていたり、次の大会から呼ばれないなどの制裁を受けた審判もいるという。
「多くの審判が会長の意にそぐわないジャッジをすると『怒られるのではないか』
『明日のミーティング材料になるのでは』とビクビクしている」と明かす。
 選手も「奈良判定」の存在を知らないわけはないが、ある現役ボクサーは夕刊フジの取材に「選手に罪はない」と嘆く。

 「リングに上がれば、お互い敬意を払って試合に臨んでいる。奈良の選手も非常に質の良い選手がそろっているが、
周囲の目もあることは事実」と証言してくれた。

 山根氏は大阪府堺市出身で、ボクシング連盟と関わるようになったのは1970年代とみられる。
「関西地方のボクシング団体が抱えていたややこしいトラブルを山根氏が収めたことをきっかけに連盟との関係ができた」
(関係者)という。奈良県連などでの役職を経て2010年に日本連盟の副会長、11年から会長に就任した。

 日本連盟の元理事の話では、会長就任時も別の有力候補が何者かから恫喝や暴行を受けたという。

 ボクシング連盟と山根氏の問題については韓国のスポーツメディアも報じており、

山根氏について「釜山に兄弟がいる」と記すなど関心を示している。

 1年ほど前まで山根氏が住んでいたという大阪市内の商店街周辺を取材すると、
近くの女性は「触れたくないっていってるんだからわかるやろ」と言い残して足早に去っていった。
さらに近くの商店の店員に山根会長について訪ねると、無言。「ごめんな」とだけ小さくつぶやいた。

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