ボクシングのWBOフライ級1位、田中恒成(23)=畑中=が31日、名古屋市内で記者会見して
9月24日に同市の武田テバオーシャンアリーナで、同級王者・木村翔(29)=青木=に挑戦することを発表した。
世界最速タイとなる12戦目での世界3階級制覇を目指す日本人対決へ、
元WBCスーパーバンタム級王者の畑中清詞会長(51)が現役時代、
走って足腰を鍛えた同市内のチャンピオンロードを継承する計画を明かした。

 アウェー決戦でこそ力をみなぎらせる王者の姿を、目に焼き付けた。
地元名古屋に迎えるからこそ、9・24を最高の日本人対決にしたい。
田中は、木村が6回KO勝ちした27日の中国・青島でのV2戦を視察。
会見の冒頭、11戦全勝(7KO)の挑戦者は、王者への敬意を言葉にした。

 「木村選手は中国でもどこでも、ぶれないメンタルの強さを持っている印象。
ベルトを取ってから自信、実力がかなり上がっているし、勢いに乗っている手ごわい相手。
半端じゃない。間違いなくきつい試合になる」

 20戦17勝(10KO)1敗2分の王者の長所として、真っ先に警戒感を示したのは尽きないスタミナ。
終盤までもつれる死闘も想定しつつ、3本目の世界のベルトを奪取するため、
田中陣営はとっておきの秘策を準備している。

 単調になりがちなロードワーク対策で、目を付けたのが、名古屋市緑区の大高緑地公園のチャンピオンロードだ。
畑中会長が現役時代のほぼ毎日、「山です」と表現する高低差の激しい4キロの外周を2周してから、
150メートルの坂道ダッシュ10本。WBCスーパーバンタム級王座への土台となった、ピカイチの験の良さを誇る。

 プランを聞かされた田中は「最初の1回だけですよ。飽きないのは」と苦笑い。
それでも「やらないという事実は、勝負の前に負け」と覚悟を決めた。

 すべては、WBAライト級王者ロマチェンコ(ウクライナ)と並ぶ12戦目での世界最速タイの世界3階級制覇のため。
「もちろん、倒しに行きます」とKO決着を思い描き、走りまくる。 (志村拓)
http://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/battle/news/CK2018080102000189.html