日本代表DF長友佑都は「僕たちにとっては幸運で最高の状況になりましたけど」とコロンビア戦の序盤を振り返り、こう続ける。

「それでも個々の選手を見たら世界のトッププレーヤーなので、一瞬でもスキを見せたらやられてしまうので。90分間、みんなで集中してやれたと思いますね」

日本のロシア・ワールドカップ初戦のコロンビア戦は、開始3分で数的優位に立ち、PKを手にするという驚きの展開に。前半のうちにFKから同点に追いつかれながらも、後半に勝ち越し点を奪い、初戦を白星で飾った。その要因を長友は以下のように分析する。

「前半から僕らがボールを回しながら相手守備を翻ろうさせていたところもありましたし、狙いどおりに後半バテてきてくれて、足が止まり始めたので、そこでうまく追加点が取れてよかったと思います」

長友は個人でも対面したフアン・クアドラードを完封。強い気持ちを持ってマッチアップに臨んでいたという。

「クアドラードには絶対に負けたくないという気持ちだったんで。これ以上負けたくないという思いはどこにあるんだろうというくらい、自分の心の中にずっとあったので。彼の得意である一対一で勝負を仕掛けてきた瞬間に『来たな!絶対に止めてやる!』と思ったので、ガッツポーズは本能的に出ちゃいましたね(笑)。ワンプレーでガッツポーズすることはないので、今言われて気づくというか、確かにやったなって。そのくらい気持ちが入っていたというところですね」

結果的に一人減ったコロンビアは、バランスを取るためにクアドラードを下げることに。長友も手応えを口にする。

「勝ったことがとにかくうれしいのと、自分としてはクアドラードが途中で抜けたというところで、その勝負には絶対勝ちたかったので。その思いだけで、コロンビアとやると決まってから、セリエAの試合もずっとクアドラードばかりを見てきたし。どういう状況で代わったのかは分からないけど、それでもしっかりと対応できたことは自分の中ではすごくうれしかったですね」

今大会は開幕前に日本代表には大きな逆風が吹いていた。しかし、長友はそれすらも利用できたと語る。

「(2010年の)南アフリカ大会のときもたくさん批判されて、ワールドカップ前にも言いましたけど、批判されればされるほど、個人的には何かのエネルギーが出てくる。フツフツとしたものが出てきて、『やってやるぞ』って気持ちにさせてくれたと思うんでね。だから批判されてきたということが、今となっては良かったのかなと思いますね」

4年前のブラジル・ワールドカップでの惨敗の経験すら「この勝利に結びついているんじゃないかと思っていて」と話した長友。経験と反骨心こそが、今回の勝利に結びつけたと感じているようだ。

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