<Russia 2018 WorldCup>

 サッカーW杯ロシア大会で、国際副審の相楽亨(さがら・とおる)さん(41)が3大会連続出場を果たした。W杯の審判は今大会を最後にして、後進に道を譲る考え。「大会を成功に導けるように、どんな仕事でもやりたい」と国際審判員としての集大成にするつもりだ。

 前回2014年のブラジル大会では西村雄一主審とともに開幕戦を担当した。今大会では15日のポルトガル−スペイン戦などの予備副審に配置され、初のW杯となる佐藤隆治主審(41)、山内宏志副審(39)とともに出番を待っている。

 栃木県出身で、進んだ宇都宮北高のサッカー部監督が国際主審の十河(そがわ)正博さんだった。Jリーグがブームに沸いた頃。スタジアムで試合を裁く恩師の姿に憧れた。

 東洋大でもサッカー部に所属し、週末は栃木に帰って審判の経験を重ねた。30歳を目前に副審に専念。33歳で10年W杯南アフリカ大会の副審に初めて抜てきされた。

 副審の魅力は「主審に『助かった』『やりやすい』と言ってもらえる。その一点です」。主審の仕草や言葉から必要とされる情報を把握し、伝えるのが醍醐味(だいごみ)だ。

 国際大会を退いてもJリーグの副審は続けるが、スポーツ競技団体や地域スポーツクラブを対象にした経営コンサルタントになる夢もある。大学卒業後に栃木県の信用組合で7年間勤務し、中小企業診断士の資格も持つ。「金融マンとプロの審判。両方の経験を無駄にしたくない」。ピッチで培った判断力と主審を思いやる目線が仕事に生きるはずだ。【大谷津統一】

https://mainichi.jp/articles/20180619/dde/035/050/061000c