「自分から真実を伝えなければと思った」

 15日、初のテレビインタビューでこう語った「紀州のドン・ファン」こと、会社経営者の野崎幸助氏(享年77)の若妻(22)。野崎氏の不審死事件が発覚して以来、テレビのワイドショーは連日のように妻の動向を報道。あまりの過熱ぶりに代理人を務める弁護士が「慎重な対応をしてほしい」と各社に呼びかけたほどだ。妻は一体なぜ、急にテレビ取材をOKしたのか。

「あることないこと書かれて(マスコミに)追いかけ回されている」「自分の言葉で伝えなきゃと思った」

 約60分に及んだフジテレビ系「バイキング」のインタビュー。妻は取材に応じた理由を淡々と語り始めるとともに、野崎氏が死亡した先月24日の行動や夫婦生活についても言及。「(私が)社長を殺すなんて絶対にない」と“潔白”を訴えた。フジは午後4時50分からの「プライムニュース」でも、75分に及ぶ同じ内容のインタビューを報じた。

 この日はフジ以外の局でも、いつものように「ドン・ファン」ネタを扱っていたが、これまでと違っていたのは、妻の言動にあまり踏み込んでいなかったことだ。事件が長期化する様相を見せているとはいえ、一体どうしたのか。

「名誉毀損などで損害賠償請求されないよう予防線を張り始めたのだと思う。事件発覚から20日間以上経ち、冷静に事件を見るようになったのでしょう。初めから奥さんを『クロ』のごとく扱い、追い回していたのは明らかに行き過ぎでしたから。テレビ業界では、インタビュー登場は奥さんの“反撃開始”なんて冗談も出ていますよ」(民放関係者)

 実際に訴訟リスクはあるのか。民事事件に詳しい浦上総合法律事務所の浦上俊一弁護士がこう言う。

「一般論ですが、『犯人だ』などと断定した表現が今までの報道にあれば、名誉毀損に当たる恐れがあります。ただ、マスコミ側に不法侵入などの明確な違法行為がないのであれば、民事上の損害賠償は難しいでしょう」

 コトの顛末次第では巨額賠償なんて事態も起きかねない。テレビ局は戦々恐々ではないか。

2018年6月17日 10時26分
http://news.livedoor.com/lite/article_detail/14876868/