アメフト問題 関学大が会見「日大回答は誠意あると言えず」
5月17日 14時19分

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180517/k10011441701000.html?utm_int=news_contents_news-main_001

日本大学のアメリカンフットボール部の選手が関西学院大学との定期戦で重大な反則行為を行った問題で、関西学院大の記者会見が午後1時半から始まりました。
会見は、兵庫県西宮市で行われ、関西学院大の鳥内秀晃監督と小野宏ディレクターが出席しています。

この中で、関西学院大の小野宏ディレクターは、反則行為の背景に日大の内田正人監督による指示があったかについて、今月15日に日大から受け取った回答書の内容を明らかにし、「”意図的な乱暴行為を教えることはまったくない。ルールに基づいた指導を徹底しており、指導者の教えと選手の理解にかい離があった。指導方法について深く反省している”と回答があった」と話しました。

また、小野ディレクターは、日大の内田監督が試合終了後に「あれぐらいやっていかないと勝てない。やらせている私の責任」と発言したことについて、日大が「本意ではないため試合終了後にメディアに発した日大監督の発言は撤回する」と回答してきたことを明らかにしました。

さらに、試合当日のミーティングで日大の監督が選手に対して行った発言について、日大から「相手を負傷させる意図はなく、士気をあげるために行った。これまでに把握している事実やプレーにいたった経緯、それまでの指導内容や試合後の対応などについて、確認作業と再発防止の策定を行っているため、5月24日をめどに改めて回答したい」と回答があったことを明らかにしました。

そして、これについて、「選手の責任はあると思うが、監督の責任について、真相を究明していただきたい。次の回答に誠意が感じられない場合は、定期戦は行わない」と述べて、再回答の内容次第では今後の日大との定期戦を中止する考えを示しました。

また、今回の回答書について、「弊部の抱える疑問や疑念を解消できておらず、現時点では誠意ある対応とは判断しかねる」としたうえで、近日中に関東学生連盟の規律委員会が行うヒアリングには、選手や保護者とともに全面的に協力する考えを示しました。

関西学院大の鳥内秀晃監督は、日大の内田監督の一連の対応について、「自分の厳しさと選手の受け取り方がかい離していると思うならば、なぜベンチに戻して”そういうプレーをするんじゃない”と言うことができなかったのか。もしあのような行為を受け入れたらスポーツは成り立たない。非常に悪質なので次の日にわれわれの選手に直接謝罪をするのが筋ではないか」と話しました。

そのうえで「ここまでの対応は到底、受け入れることはできない。われわれも選手に対して、”汚いプレー、反則プレーはするな、相手を傷つけるプレーは絶対やるな、やったら一生罪を背負うことになるよ”と毎回言っている。日大の内田監督は責任ある立場なので、はっきりと記者会見をして、謝罪してほしい」と話しました。

また、鳥内監督は、日大との関係について「長い歴史の中でライバル関係にあった。このような事件が起こってしまったことは非常に残念だ」と話しました。

小野宏ディレクターは「日大とは各世代ごとにつながりが深いライバル。長い歴史が変わったわけではなく、これまで培ってきたつながりはいまも変わらない。それだけにこうした問題が起きたことは全く信じられない。いま両チームは決定的に信頼関係が損なわれている」と話しました。


日大 内田監督とは

内田正人監督は62歳。日本大学を卒業後、母校に就職してアメリカンフットボール部のコーチを務め、2003年に監督に就任しました。

チームは長く低迷していましたが、走り込みを徹底させるなどの厳しい指導で去年、27年ぶりに、学生日本一を決める甲子園ボウル優勝にチームを導きました。

選手の育成に定評があり、関東学生アメリカンフットボール連盟の強化委員を務めた経験もあります。現在、日大の常務理事も務めています。