>>1の続き)

 ヒンスキーさんが驚く、大谷選手の高い適応力。実は、打撃フォームの改造でも、その能力が十分に生かされていました。オープン戦で、打率1割台と低迷した大谷選手。長打は一本もありませんでした。
開幕が3日後に迫ったこの日。試合前の打撃練習に向かう大谷選手に、ヒンスキーさんはある提案をしていました。

エンジェルス エリック・ヒンスキー打撃コーチ「ショウヘイは足の上下によって頭が動いていました。足を上げないことで頭の動きをなくし、ボールをより正確に見るように提案しました。彼は飛距離が出るか心配していましたが『分かった、練習してみる』と答えました。」

 直後の打撃練習。右足を上げずにノーステップで打つフォームを試すことにしました。すると、始めたばかりのフォームにもかかわらず、柵越えを連発して見せたのです。

エンジェルス エリック・ヒンスキー打撃コーチ「練習で柵越えを連発して、彼はすぐに『OK、納得した』と言いました。ほとんどの大リーガーでも、このような大きな変更は難しいです。彼の能力の高さが可能にしたのです。」

 そして、アドバイスを受けた当日のオープン戦。ヒットを打ち、確かな手応えを得ました。


――落合さん、一般論として、足を上げると頭が動くというのはどういうことなんですか。

落合さん:持てということは、やれってことなんでしょ??

――すみません!

落合さん:じゃ、簡単にね。説明だけします。皆さんやってくださいということではありません。さっきの2つというのは、足を上げた場合と上げない場合です。バッターで一番難しいのは、要は、(バットを)トップの位置にどうやって入れるかってことなんです。
入れば、あとそこからそのまま振ってくればいいだけですから。一番簡単なのは。ただ、さっきの頭が動く。要は、構えてて足上げたときに一緒に出てくるから、トップの位置が決まらない。

――ちょっと前のめりになるような感じになるんですね。

落合さん:決まらないから、振れっていったって、振れないんです。力出てきませんから。後ろの足に、たまった力が伝わらないで、一緒にいくから、頭が動いてるという、そういう説明なんだと思います。

――その足を上げないことで固定するということなんですか。

落合さん:上げる上げないじゃなくて、「いかにしてトップを先に作るか」です。あれは作ったんです。先に足を上げないで、バットを(ボールが)来るときに、作っとく。作ってるから、あとは来るボールに、そのままバットを出していけばいいというだけで。
ただ、そのときにひざの使い方だとか、いろんな足の使い方、手の使い方、ちゃんと大谷の場合、準備、動いていますから、じーっと、こうやって待ってるわけじゃないです。
だからこれ(=足を上げて踏み込む動作)を省いた。「先にトップを作った」。そういう理解してください。だからこれは誰がやってもいいっていうことではありません。応急処置だと思います。

――ありがとうございました。ただ、こういう、フォームの微妙な改良というのは、なかなかこのレベルの選手、難しいんじゃないかと思うんですけど、可能なんですね。

落合さん:アメリカだからしたんだろうと思います。日本では、やれって言っても恐らく「いやぁ、今のままでいいです」って聞く耳は持たなかったんじゃないかと思います。

――それがアメリカに行って、環境も変わって?

落合さん:自分は成功したいですから。だから「やれるべきものはなんでも取り入れてみよう」ということで、基本姿勢は何も変わってないと思います。「トップへ入れるためにその動作をした」という、そういう理解でいいんだろうと思います。

――ありがとうございます。分かりやすかったです。

田中:今回、番組では試合の映像を徹底分析しました。その結果、大谷選手のある行動を発見しました。

■大谷 好調のカギは“ネクストのネクスト”

打順が回り、打席に立つ大谷選手。その直前、ネクストバッターズサークルで素振りを行います。しかし、大谷選手の準備はさらにその前から始まっていました。なんとベンチで1人バットを構え、マウンドを見つめます。
本番さながらにタイミングを計っているのです。さらにさらにその前、指名打者の大谷選手はチームが守備についている間、打撃コーチのヒンスキーさんと共に、タブレットでピッチャーのデータを頭に入れています。

(※書き起こし記事があまりにも長いので、残りはソースで確認して下さい)

(関連スレに続く)