図らずも「メキシコ」という固有名詞が、63歳の新指揮官の口から飛び出した。
 東京・文京区のJFAハウスで12日午後5時から開催された、日本代表の西野朗新監督の就任記者会見。約2ヶ月後に迫ったW杯ロシア大会へ向けた、約50分間に及んだ所信表明とメディアとの質疑応答が終わりに差しかかったときだった。
 海外組がそれぞれの所属クラブで迎える今後の日程に関して、日本サッカー協会(JFA)の田嶋幸三会長(60)とともにひな壇に座った西野監督はこう言及した。

「海外組は5月の2週目くらいでリーグ戦が終わり、中南米メキシコは4月中に終わってしまう。コンディションやリカバー的な日数も少しバラバラなところで、ガーナ戦に入っていかなければならない。そこを合わせていくのが非常に大事になる」

 言うまでもなく、メキシコとはパチューカでプレーしている本田圭佑を指す。今後は5月下旬から国内合宿をスタートさせ、ガーナ代表を日産スタジアムに迎える壮行試合から一夜明けた同31日に、ロシア大会に臨む23人の代表メンバーとプラスアルファが発表される予定になっている。

 つまり、7日付けで電撃解任されたヴァイッド・ハリルホジッチ前監督(65)のもとで当落線上にあった本田は、少なくとも西野新監督が描く構想の第1段階に入っていることになる。

 代表チームをサポートするJFAの技術委員長から指揮を執る立場へ、それも現役時代も含めて未経験のW杯で采配を振ることになったJ1最多勝利監督が、限られた時間内でどのようなチームを作っていくのか。就任会見の最大の関心は、選手選考を含めたそこに注がれた。

 ハリルホジッチ前監督はフランス語で「決闘」を意味する『デュエル』を介して、1対1の局面における強さと激しさを求め、ボールを奪ってからは縦へ素早く攻める攻撃を3年間にわたって標榜した。

「いままでの日本に足りなかった部分であり、間違いなく必要なことではある」

 技術委員長の視点から、前任者が植えつけてくれた財産は尊重する。一方で日本人の特徴や体格に精通した一人の指導者として、西野監督はベースとなる部分にこう言及した。

つづく

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