https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180410-00000031-sasahi-socc
ハリルを放棄した日本代表…“ぬるま湯体質”助長も

W杯まで2カ月に迫った状況での監督解任という衝撃は世界的にも驚きをもって
報じられており、人事に対するネガティブな受け止め方が大勢を占めている。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180410-00264751-footballc-socc
ハリルと選手との溝、そんなに重要か? 日本代表監督解任の正当性を問う

気に入らない監督だった場合、上手いこと密告すれば追放できる。
悪しき前例と言える。

今回もしそのような造反者がいたのなら由々しき事態である。
そんなことを許していては未来永劫ワールドカップで上位進出など不可能だ。

ハリルホジッチはロシアワールドカップで勝つために呼ばれた監督である。
勝つためのプロセスを構築し、そこへのノイズはできるだけ排除したい。
頑固で人事には冷徹。極めて厳しい監督だが、それは就任前から分かっていたこ
とである。

だからこそ選手に高いレベルを要求し、達しない選手には容赦しない。
それを強権だ、恐怖政治だと恐れるのであれば、
代表選手としてあまりにナイーブではないだろうか。
ワールドカップを想定したレベルに付いてこられない選手が、
本大会で戦えるはずがない。

さらに言えば、ハリルホジッチは冷徹さのなかにも平等に評価する公平さも
あった。例えばMF大島僚太。
一度は大きなミスで代表を外され長らく招集されなかったが、
Jリーグで成長を続けると再び代表に呼び戻した。

また、選手と話し合う門戸は開かれていた。それが十分であったかどうかは
ともかく、合宿中に選手が個別に監督の部屋に行き、一対一で面談するこ
ともしばしばあった。時に激論をかわす選手もいたという。
コミュニケーションがとれないわけではない。

戦術に関しては、選手たちの理解が不十分だったのではないか。
「縦に速く」は、守備を意識してのもの。中盤でボールを奪われてショート
カウンターをくらうリスクを避けるために、手早く前線にボールを送る。
故に中盤でのビルドアップを求めていない。「つなぐ」必要はないのである。

ただし、ハリルホジッチは「最後の3週間で仕上げる」と明言していた。
この時期でも浸透が十分でないことは折り込み済みだったはずである。
メンバー発表を2段階方式にするとしていた理由もここにあるのではないか。
最後にみっちりと戦術を叩き込み、それでも理解できない選手をふるいにかける、
と。今となっては単なる夢想でしかないが。

コミュニケーションとは積み重ねである。人と人との関係性なので、
当然差が出てくる。ハリルホジッチ監督と選手全員に溝があったわけではない。
3月の欧州遠征では、一部の選手から戦術について疑問の声が出たが、
長谷部誠や川島永嗣らは「外部(メディア)に話すのではなくチーム内で
解決すること」と語っている。選手たちの間でもコミュニケーションは
解決すべき課題として認識されていたのである。

選手がある程度我慢するのは、ある種当然である。

 これからどんどんとハリルホジッチ監督と選手との不和のエピソードが
メディアを通じて発信されるだろう。そのほとんどは選手がネタ元となっている
一方通行になっているのではないか。単なる選手のワガママを超えるもの
はどれだけあるだろうか。