https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-00174954-nksports-socc
長谷部が現体制では厳しい…協会極秘で聞き取り調査

ベルギー・リエージュの夜が解任への決定打になった。3月23日のマリ戦は、
格下に引き分けるのが精いっぱいの大凡戦。ガラガラのスタジアムには
“前監督”の「蹴れ、蹴れ」というむなしい指示と、それに呼応できない
ピッチ上の選手の大きな溝があった。

選手から、聞き取り調査を行っていた。

 チーム状況、監督の求心力、そして信頼。何より、縦に速い攻撃一辺倒の戦い
方はどうなのか。その中で、主将の長谷部は、選手の総意として現体制では厳
しいと伝えた。

 マリ戦後、指揮官の求心力は急激に低下。翌日の練習後には、複数の選手が公
然と戦術に異を唱えるようになった。FW大迫は「縦に速い攻撃だけじゃ…」
と素直に課題を口にし、DF長友も「今日の試合内容ではW杯で勝つのは厳し
い」とはっきり言った。

 これを報道で知った指揮官はわざわざ会見で「何か問題があれば内部で解決
するもの。外部への発言は良くない」とくぎを刺すなど過剰に反応。もはや平
常心を失っていた。

 協会トップの田嶋会長自らも動いていた。強烈なキャラクターと、その歯に
衣(きぬ)着せぬ物言いで、危ういハリルホジッチ監督の行く末を案じ、
17年12月末には会長自ら、極秘裏にチームをまとめる長谷部と約束を取り
付け、クリスマス休暇で帰国した不動の主将と会い、現状を聞き取るなどして
いた。

 解任は時間の問題だった。選手はもう、監督を信じられなくなっていた。
リエージュの夜には、選手の権利さえ取り上げられる“事件”もあった。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-01652510-gekisaka-socc
ハリル解任にキャプテン長谷部は…「選手の中でも自分の責任が重い」

「なかなか言葉を選ぶのは難しいけど、選手として責任を感じている」。
そう口を開くと、「まず第一にハリルさんにはW杯出場を決めてもらったし、
いろんな意味で感謝しなきゃいけない部分がある」と感謝の言葉を述べた。

 9日に記者会見した日本サッカー協会の田嶋幸三会長は解任の理由として
「選手とのコミュニケーションや信頼関係が多少薄れてきた」ことを挙げた。
日本代表のキャプテンとして指揮官とチームメイトの橋渡し役も務めてきた長
谷部は「ハリルさんにキャプテンを任せていただいて、これまでやってきた中
で、僕は選手の責任が一番重いんじゃないかなと思っている」と指摘。そのう
えで「選手の責任が重い中で、自分がハリルさんにキャプテンを任せていただ
いて、選手の中でも自分の責任が重いと感じている」と自らを責めた。

 3月のベルギー遠征ではハリルホジッチ監督に対する選手の不満が噴出。その
発言がメディアをにぎわせ、指揮官が記者会見で「問題があれば内部で解決す
るものだ。外部に対する発言はあまり良くない」と不快感を示すまでになった。
「コミュニケーションに関しては、いろんな部分で監督とは試行錯誤してきて、
本音でいろいろ話し合ってきた。その中でこういう結果になったのは大きな責任
を感じている」。長谷部は自責の念に駆られたように繰り返した。

 ベルギー遠征後に一気に事態が動いたのかという質問には「いや、そういうこ
とでもないと思う」と否定。「その部分はあんまり話せないというか、話さな
くていいことはあると思うので。『なんでこのタイミングなんだ』と思われる
と思うし、応援されている方もみなさんそうだと思うけど、僕はいろんな部分
を見ているので、そこで考えると選手の責任は重いなと感じる」と言葉を濁した。