サッカーJ1・神戸の本拠地・ノエビアスタジアム(ノエスタ、神戸市兵庫区)の芝が今季、天然芝に人工芝の繊維を混ぜ合わせた「ハイブリッド芝」に変わる。Jリーグ開催競技場では初導入で、来月3日のホーム開幕戦に向けて準備が進んでいる。【丹下友紀子】

 ビニール製テント小屋のような装置がゆっくりと動き、天然芝に2センチ間隔でポリエチレン素材の芝を埋め込む。ノエスタのハイブリッド芝を完成させていく様子だ。ワールドカップ(W杯)ロシア大会のメイン会場・ルジニキ競技場の芝を手がけたオランダの「シスグラス社」が施工しており、同社のイボ・ラモット社長は「やっていることに自信を持っている」と強調する。

 人工芝は全体の3.9%で、天然芝に混ぜ合わせて芝の強度を増し、めくれ上がることを防ぐことで選手のけがを軽減させる。芝の耐久性も天然芝に比べて2倍程度という。地下12カ所に埋め込まれたパイプの中を水が通り、地温をコントロール。芝を育成するための照明も、6台導入された。

 屋根に覆われるノエスタは日照不足で風通しも悪いため、これまで芝の状態がすぐ悪化し、芝の全面張り替えを繰り返してきた。2015年には試合中に芝がめくり上がることが増え、J1の試合が別会場に変更されるなど問題が続出。所有者の神戸市が17年度当初予算に総額で9億1481万円の改修費用を計上し、クラブが今年4月から管理する。

 神戸の親会社・楽天の三木谷浩史会長兼社長が「芝が良くならない。そろそろ決断の時かな」とツイッターに投稿したこともあった。選手を苦しめてきた芝の改善により、神戸は昨季9位だった成績も良くしたい。

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