巨人・坂本勇人内野手(29)が14日、キャプテン4年目を迎える今季、4位からの巻き返しに向け“鬼主将”になることを宣言した。

吉川尚輝内野手(22)、辻東倫内野手(23)とともに沖縄県内で行っている自主トレを公開。「ピリッとした感じが少なくなっている。仲良しこよしでやっている場合ではない」と現状に危機感を抱いた。また、吉川尚は春季キャンプで二塁の定位置争いを制し、坂本勇と“18年版二遊間”を形成することを誓った。

 南国の日差しを背にした坂本勇は、今年にかける熱い思いを口にした。昨年までは村田、長野ら先輩とともに合同自主トレをしてきたが、今年からは吉川尚、辻を引き連れて、“坂本組”で自主トレを行っている。後輩の手本となるため、成長を促すため、例年よりも練習量は増えたが、全ては主将4年目を迎える今シーズンにつなげるためだ。

 「去年はチームとしてすごく悔しいシーズンだった。(今年は)キャプテンとして選手全員を引っ張っていけるように、僕自身も頑張っていきたい」

 主将に就任した15年以降、リーグ制覇と日本一は遠ざかっている。何が足りないのか―。行き着いた先は勝負に対する「厳しさ」だった。だからこそ今年は言動、行動で“鬼主将”としてチームを束ねる覚悟も示した。

 「今は若い選手が多いので、ピリッとした感じが少なくなっている。そういう雰囲気を僕とか(菅野)智之が作っていかないといけない。チーム全員がもう少し、厳しさを出していかないといけない。仲良しこよしでやっている場合ではない」

 そのために、熱血指導にもあたっている。この日のロングティーでは辻に軸足の使い方などをアドバイスした後に「『バーン』と打つような感じ」と、ミスターばりの擬音による指導を展開。身ぶり、手ぶり、口ぶりで、惜しむことなく1軍定着を目指す若手へ助言を送っている。

 自身もプロ1年目のオフに阿部から声をかけられグアム自主トレに合流し、高卒2年目で不動の遊撃手の地位を手にした。「阿部さんにしてもらったことを後輩にもしていかないと。(打撃の)イメージだったり、練習方法を教えられる限り教えるために連れてきている。何とかプラスになってほしい」。前主将の阿部はチームの苦境の時にミーティングを開いた。自身はこれまで、仲間の自主性を信じそういう場を設けなかったが、全選手を引っ張るために鬼となってここぞで強権を発動することもあり得る。

 この日のロングティーでは40スイングで13本のサク越えを披露するなど状態は良好だ。16年の首位打者も、昨年は打率2割9分1厘に終わり、チームも球団史上ワーストの13連敗を喫するなど4位。07年から始まったクライマックスシリーズ(CS)進出を初めて逃した。今季の個人的な目標を聞かれると「4割、80本!」と満面の笑み。全身全霊を注ぎ、主将がチームを4年ぶりのリーグVへと導く。(後藤 亮太)

 〇…坂本勇が松井秀喜氏の臨時コーチ就任を喜んだ。2月の巨人宮崎キャンプに2年ぶりに訪問することを伝え聞くと「ありがたいですね」。16年には踏み出す左足と軸となる右足への体重のかけ方を2対8、もしくは1対9にする打法を教わると、その年に首位打者と最高出塁率を獲得。「聞きたいことがあれば聞きにいきます」。

1/15(月) 6:08配信
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