「石川優実の登場でお菓子系アイドル≠ェ盛り上がった」と当時を知るアイドル・ウォッチャーは言う。

いずれにしても、私が知るだけでもイメージビデオ(DVD)は30本以上は出ていたと思う。映像制作の知り合いに聞いた話では、彼女は現場での評判が高く
「一度仕事をすると、そのスタッフからの再オファーが多かった」というだけに、順風満帆な活動を続けていると思っていた。

そういった部分で、今回の彼女の行動≠ノは正直言って驚いたが。よほどいたたまれない、忸怩たる思いがあったのだろう。

文章の中で、彼女は、「自分自身に深刻なストレスを与える自覚はなかった」と言いつつ、仕事をもらうためには、 「世の中とはこういうものだということ。
自分には価値がないから、こうするしかないない。大したことではない。みんな我慢しているから私も我慢しなければ」と思い込んでいたと振り返り、
本編の中ではギャラのことから、仕事先の人への接待、さらにはマネージャーだった男性と在京テレビ局のプロデューサーと名乗る男との出来事をリアルに記している。

彼女自身は、あくまで「自分自身のこと」としているだけに、それが「全て」と言うわけではないが、私自身も相談されたことがあるし、そういった実態は聞いている。
しかし、石川のように、自分の受けてきた性的出来事をあからさまに公表するのは勇気がいることだ。
石川は「これで芸能界での仕事が出来なくなっても仕方がない」という。この記事の公表後には「迷惑がかかるから」とアルバイトも辞めた。

確かに、はあちゅう氏と同じように「Me Tooに背中を押されました」ということなのかもしれないが、何が彼女の導火線に火をつけさせたのか、気になるところである。

◆日本でMe Tooキャンペーンは広がるか

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最近では、元TBSワシントン支局長だった山口敬之氏から「性的な暴行を受けた」とジャーナリストの伊藤詩織さんが訴えた事件があった。
この事件では警察の不可解な行動が話題になったが、検察審査会で「不起訴」となっている。

しかし、ここにきて米大手新聞社「ニューヨーク・タイムズ」も報じ始め、この事件に疑問を投げ掛けている。
山口氏は性的な接触があったことは否定していないが、詩織さんが言う「強姦容疑」については全面否定している。

詩織さんは現在でも「被害はあった」と強く主張しているだけに解決の糸口は見出せないが、
正直言って性的被害への関心や問題意識は、米国と比べると日本は、まだまだ低いと言わざるを得ない。

だが日本でも「Time’s Up」という声が高まりつつあることは確かだろう。