貴乃花親方の理事解任提案が決議された臨時理事会の翌日(29日)の各紙面は、まさに「貴乃花vs相撲協会」の代理戦争の様相を呈した。サンスポは「理事会中も変わらず無言」と貴乃花親方の姿勢に批判的で、スポーツ報知は「協会が弁明を全否定」「全会一致で初厳罰」とやはり同様の立ち位置だった。また、同日に発表された、元顧問に対する協会の訴訟提起(不正に利益を得ていたとして損害賠償を求める内容)にも触れ、その元顧問が「貴乃花一門のパーティにも出席」した人物であると言及した。
 
 対照的にスポニチは、貴乃花親方の理事解任提案の決定内容と同時に、「協会の対応に問題がなかったわけではない」という高野利雄・危機管理委員会委員長の苦言を報じた。また、記者のコラムでは、「被害者側の親方と加害者側の親方がなぜ同じ扱いなのか」と批判している。

 貴乃花の理事解任は1月4日の臨時評議員会で正式決定されるが、初場所後には理事選が控えており、貴乃花と相撲協会の対立構図が深まるのは必至だ。そうした中でスポーツ紙の貴乃花擁護、貴乃花批判とも、さらに熱を帯びてくるだろう。その際には、報じられた内容だけでなく、「どのメディアが報じたのか」にも注目すれば、この問題の根深さがより理解できるはずだ。