今日正午から搬送先病院で弔問受付
「どうかお願い、嘘だと言って。どうかお願い、嘘だと言って」

「私を置いて逝かないで」
Twitterに韓国語や日本語が入り混じる悲痛な叫びが一斉に溢れたのは、12月18日午後19時過ぎ。韓国のニュースで「SHINeeのジョンヒョン(享年27歳)遺体で発見」という速報が流れた直後のことだった。

その名に「輝く光を浴びる人」という意味を込めたSHINee。メンバー全員が音楽・ダンス・ファッションなどすべての分野で時代に合ったトレンドを提示しリードしていく“コンテンポラリーバンド”を自称する5人組K-POPボーイズグループだ。
韓国で2008年にデビューし、新人賞を総なめに。日本では15年以来、3年連続東京ドームでコンサートを開催できるK-POPでも稀有なグループの一つで、東方神起や少女時代、EXOなどを擁する大手芸能プロダクションSMエンターテインメントの中でも、
他グループとは異なりメンバーの脱退は皆無。人気も実力も結束力も盤石とされていた。

中でもファンの間でポケモンのヒトカゲに似ていると話題になり、「恐竜」というニックネームで愛されていたジョンヒョンは、伸びのある高音が聴く人の心を捉えるリードボーカル。
12月9日〜10日には、ソウルでソロコンサート「JONGHYUN SOLO CONCERT “INSPIRED”」を成功裏に終えたばかりだった。

韓国聯合ニュースの速報によると、18日16時42分、ジョンヒョンの姉が「弟が自殺を図っているようだ」と警察に通報。18時10分にジョンヒョンを発見し、救急車で病院に運んだという。

一時ネット上では「病院に移送されたが状態は不明」など情報が錯綜したが、同日深夜、SMエンターテインメントが「SHINeeのメンバージョンヒョンが突然私たちの元から去りました。
(中略)ジョンヒョンは誰よりも音楽を愛し、常にベストを尽くしたステージを見せる最高のアーティストでした」と報道資料を通じて公式発表を行った。
部屋のフライパンに褐炭が残っていたことから、警察は自殺の可能性が高いと見ている。

「半年くらい悩んでた」
 
姉に送っていたのは、「これまでつらかった」「僕を見送ってほしい。僕を見送ってほしい。お疲れさまと」「最後のあいさつ」というショートメッセージ。
姉や母と仲が良く、SNSにも一緒にいる写真を時々アップしていたジョンヒョンは、今年5月、Esquire Koreaのロングインタビューで「幸せですか? とたずねられ、こんなふうに答えていた。

「何年か前に酔ったとき、寝ている母と姉を起こして、『幸せか』と聞いてみた。母と姉が幸せなことが、人生の一番の目標だったから。2人とも目を覚まし、幸せだと言っていました」
「羨ましいことです。幸せだと答えることができるのは。僕も幸せになりたいと言いながら、わんわん泣きました。その時から幸せについて悩みました。半年ぐらい、どうすれば幸せになれるか具体的に考えました。
僕には変化の時期が訪れたのだと思います。これからは幸せにならなきゃならない。幸せになろう、と」

SHINeeは3日前、4年連続となる東京ドーム公演を来年2月に行うことを発表。リーダーのオンユの入隊前最後の花道を飾る集大成ライブを5人で行うはずだった。
また、死の前日には、韓国のバラエティ番組でクリスマススペシャルに登場する予告編が流れ、ファンの期待を集めていたジョンヒョン。絶好調とも思えた時期に、彼は心にどんな闇を抱えていたのだろうか。

11月20日で更新が止まったジョンヒョンのインスタグラム。コメント欄には、「会えなくなっても、心の中からは消えません」「助けることができなくてごめんなさい」「どうか安らかに」と、
英語、韓国語、日本語、アラビア語など世界中からの書き込みが続いている。

桑畑 優香

12/19(火) 6:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171219-00053879-gendaibiz-kr&;p=1

写真
https://lpt.c.yimg.jp/amd/20171219-00053879-gendaibiz-000-view.jpg