また、グループFで韓国と戦うドイツを仮想ポーランドと考えて試合ができればさらにいいだろう。勝てないまでも善戦すれば自信になり、逆に完膚なきまでに叩きのめされたとしても、チームに危機感を持たせることができる。大敗して日本が意気消沈してしまう可能性ももちろんあるが、見方を変えれば、同グループの国々が「日本は与(くみ)しやすい」と油断してくれる可能性もある。

 日本以外の3カ国にとって、日本との対戦は「格下から勝ち点3を奪うことが必須の試合」となる。しかし、日本戦に照準を合わせてシステムや選手を変更するとは思えない。自分たちのいつも通りのパフォーマンスを発揮すれば、「日本には勝てる」という考えがあるはずだ。であれば、強豪に正面からぶつかっていくのではなく、そのスキを突いてほしい。

 勝つ可能性を少しでも上げる方法を探り、粘り強く戦うために、残り7カ月でさまざまな策を講じてもらいたい。

津金壱郎●構成 text by Tsugane Ichiro