岩手県立久慈高(佐野茂樹校長)の校舎建て替え工事に伴い、野球部の練習場所の確保が困難になっていることを受け、国土交通省三陸国道事務所は6日、学校側が敷地内に暫定の練習場を整備できるように、三陸沿岸道路(復興道路)の工事で発生した残土の提供を開始した。

野球部は来春の第90回選抜高校野球大会(センバツ)の21世紀枠岩手県候補校に選ばれており、工事関係者は「少しでも練習に役立ててほしい」とナインを後押しする。

 老朽化に伴う建て替え工事は、今年11月に本格着工。新校舎は野球部が練習場として使用していた場所に建設される。新校舎完成後に現校舎を取り壊すため、再整備する練習場が使用できるのは、2020年秋以降となる見通し。

 現在、野球部は学校のグラウンドを他の運動部と共用。屋内練習場と市営野球場などを利用する場合もあるが、屋内練習場は今後取り壊し予定で、市営野球場も週1回の使用に限られるため、練習場所の確保が喫緊の課題だった。

 暫定の練習場として整備する場所は、校舎北側のテニスコート跡地。通常の球場と比べれば@預始@、@預終@内野ほどの広さにとどまる。低地で水はけが悪い上に長年使用しておらず、新たに土砂を搬入し整備する必要があった。

 一方、同事務所は三陸沿岸道路の建設で生じた残土の有効利用を模索していた。各自治体に活用策を照会したところ、久慈市から同校野球部の練習場の件で提案を受けた。

 同事務所が提供するのは、三陸沿岸道路を構成する野田久慈道路(久慈市―普代村、約25キロ)の建設に向け、普代村沢向地区で進められている工事で発生した残土。6、7日の2日間で、計500立方メートルを運び入れる。

 同事務所久慈維持出張所の金濱巨晃(なおあき)建設監督官は「思う存分に、とはいかないかもしれないが、活用してほしい。センバツに選ばれればうれしい」と活躍を期待。佐野校長は「困っていたので助かった。ありがたい」と謝意を示す。

12/7(木) 11:45配信 デーリー東北
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