日本相撲協会の鏡山危機管理部長(元関脇・多賀竜、59)が5日、元横綱・日馬富士関に暴行を受けて冬巡業を休場している幕内・貴ノ岩(27)=貴乃花=について、休場に必要な診断書を提出するように文書で師匠の貴乃花親方(元横綱)に要請した。貴ノ岩は通例として3日の巡業初日までに義務づけられている診断書が未提出。ルールを順守しない貴ノ岩側に対して、協会執行部の鏡山部長が直接、東京・江東区の貴乃花部屋に文書を届ける異例の形となった。

 鏡山危機管理部長は、この日午後に貴乃花部屋を訪問。チャイムを鳴らしたが反応がなく、貴乃花親方が不在と判断して、持参した文書をポストに投かんした。直後に部屋関係者から呼び止められたが、同親方に渡すように伝えて、車でその場を去った。

 文書は冬巡業休場のための診断書を提出するよう求めたもの。この日午前から外出していた貴乃花親方は鏡山部長の来訪から数十分遅れて戻ってきた。タイミングが合わずすれ違いとなったが、同部長は突然の訪問の理由を両国国技館で説明した。「電話したけどつながらなかったから、持っていった。書面のほうがいいみたいだから。(同親方から連絡は)何でも書面でと言われている」。先月30日の理事会でも協会による貴ノ岩の聴取を拒否する理由を文書で読み上げたこともあり、同親方のやり方に倣った。

 冬巡業を休んだ関取13人のうち診断書の未提出は貴ノ岩だけ。「巡業が始まっているからね。(要請に)応えるのが“相撲道”じゃないの? 言わしてもらえればね」と鏡山部長はチクリ。提出先は巡業部で、今回はその範囲を超えて執行部が動く異例の事態だ。巡業部長の貴乃花親方は問題への対応などで冬巡業に不参加。とはいえ、巡業部のトップで本来なら催促する立場の親方がとる行動ではない。同親方はこの日も報道陣に無言を貫いた。

 日馬富士関は今週中にも鳥取県警が書類送検する方針。その後に貴ノ岩を協会危機管理委員会が聴取する流れだが、所在は「本当に分からない」と鏡山部長。居場所も診断書も不明で解決に向けた動きは停滞している。

12/6(水) 6:05配信
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