◆第18回チャンピオンズC・G1(12月3日・ダート1800メートル、中京競馬場)

 チャンピオンズC・G1で、テイエムジンソクとコンビを組む古川吉洋騎手(40)=栗東・フリー=が、
20年ぶりのG1制覇に挑む。1997年の阪神3歳牝馬S(アインブライド)以来の栄冠となれば、
グレード制を導入した84年以降では最もG1勝利の間隔が長くなる。
みやこSの覇者で臨む大一番に向け、手応え、意気込みなどを語った。

 デビュー22年目のベテランが20年ぶりのG1タイトル奪取へ、ビッグチャンスを迎えた。
みやこSで重賞初制覇したテイエムジンソクで臨む古川は、19度目のG1を冷静に見据えた。

 「G1で人気を背負う馬に乗れるなんて、なかなかない。せっかくの機会なので楽しまないと、と思っています」

 20年前の97年、アインブライドで臨んだ阪神3歳牝馬S(当時)。
豪快に差し切って、重賞初制覇をG1で飾った。

 「もう、そんなにたつんですね。僕のことはどうでもいいけど、あの頃よりは確実に(騎乗が)うまくなっていると思います」

 その後は順風満帆ではなかった。5年目の00年は年間4勝。その後の6年間で1けた台が5回、
G1舞台は98年から丸11年遠ざかったが、美浦の藤沢和厩舎で修行するなど、着実に技術を磨いてきた。
07年以降は勝ち星が増えるようになった。

 「人気馬でも、人気のない馬でも、勝ちたい気持ちは同じ。大事なのは、馬の能力を出し切らせること。
馬が一番速く走るには騎手が乗っておらず、裸の状態で走った方がいい。
(それに近いように)馬の邪魔をしないように、走らせることを心がけています」

 テイエムジンソクとは5月の東大路Sで初コンビを組み、5戦4勝、2着1回。文句なしの成績を残し、G1に導いた。

 「良さはスピードの持続能力が高いこと。そして心臓が強いです。
いい位置からペースを落とさず、スピードを維持したまま直線に向かって、そのままゴールしているような感じです」

 初めての左回り、一気にメンバーが強化されるが、不安の色はない。

 「左回りはこなせると思います。相手関係がどうかだけど、楽しみしかありません。チャンスはあると思います」

 気負いはない。最大限、馬の力を引き出すことを胸に、古川が大一番に挑む。
http://www.hochi.co.jp/horserace/20171128-OHT1T50175.html