【福田正博 フォーメーション進化論】

日本代表は、11月10日にブラジル代表と、14日(日本時間15日)にベルギー代表と対戦するが、まずは10月の親善試合を振り返っておきたい。
ニュージーランドに2−1で勝利し、ハイチに3−3で引き分け。
この2試合は「すべてにおいて中途半端だった」というのが率直な感想だ。

◆スペインの知将は「大迫、岡崎の2トップでいくべきだ」とハリルを諭す

マッチメイクでいえば、W杯での戦いを想定できるような国と試合を組むのが理想だった。
しかし、先の2試合は南米や欧州のW杯予選と日程が重なっていたこともあり、日本サッカー協会も対戦相手を探すのに苦慮したに違いない。

日本の地理的な条件なども加味すれば、不満の残る相手になってしまっても仕方のないことだ。
それよりも、対戦国のレベルに合わせたメンバー選考ができていなかったことを問題視すべきではないだろうか。

その2試合には本田圭佑、岡崎慎司、長谷部誠は呼ばれなかったが、この3選手以外で十分に代表戦を戦ってきた海外組の選手にとっては、
「W杯に向けたサバイバルレースだ」とどんなに言われようとも、高いモチベーションで臨むことは難しかっただろう。

所属クラブで厳しいポジション争いをするなか、コンディションを崩すリスクを考えながら日本に戻り、格下相手との親善試合を行なう。
実際に口に出すべきではなかったが、選手が「なんの意味がある試合だったのか」という心情を抱いてしてしまったことは理解できる。

ハリルホジッチ監督にしても、この2試合は、大島僚太、齋藤学、柴崎岳という3選手に再びチャンスを与えるのが最大の目的だったはず。
しかし、3選手ともケガで招集できなくなってしまい、目的がはっきりしないまま海外組の選手たちをピッチに立たせてしまった。
結果論にはなるが、国内組のみ、もしくは今まで招集したことのない海外組の選手を呼ぶ大胆なメンバー選考をしたほうがよかったように思ってしまう。

そのニュージーランド戦、ハイチ戦から一転、11月10日のブラジル代表(フランス、ニースで開催)、
15日のベルギー代表(ベルギー、ブリュージュで開催)とのテストマッチは、W杯本番を見据えた真剣勝負の場になる。

これまでハリルホジッチ監督は、相手にボールを保持されて押し込まれることを想定し、いかにそのボールを奪って縦に速く攻めるかという、いわば“リアクションサッカー“を貫いてきた。
それが、強豪国のブラジルやベルギーにどこまで通じるのか。現時点での日本代表の実力を測るには、これ以上ない相手だ。

そしてこの2試合は、W杯に向けた“実質的な“最後のメンバー選考になるだろう。今回の欧州遠征を終えた後は、来年の3月までテストマッチがない。
ハリルホジッチ監督はその3月の時点でほぼメンバーを決め、それ以降のテストマッチではメンバーを固定してチームを仕上げていく意向を示している。

12月にはEAFF E−1サッカー選手権(旧:東アジアカップ)があるが、国際Aマッチウィークに行なわれる大会ではないため、海外組の招集が難しい。
そのため、今回の欧州遠征は、海外組にとって本大会での代表入りをアピールする“ラストチャンス“と言ってもいい。
その2試合を戦うメンバーに、本田、岡崎、香川真司が招集されなかったのは大きなニュースだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171109-00010005-sportiva-socc
11/9(木) 18:10配信