「シルバーコレクター」の肩書を、自らの手で引きはがせるか。4日のサッカー・ルヴァン杯決勝でセ大阪と戦う川崎は、2000年のJ1初昇格以来、リーグ戦、天皇杯、ルヴァン杯(旧ナビスコ杯)の主要3大会で準優勝止まり。川崎一筋15年目のMF中村憲剛にとって、悲願の初タイトルをかけた一戦になる。

 3日、試合会場となる埼玉スタジアムでの練習を終えた中村は「いい試合よりも勝つ試合をしたい。気合を入れすぎてはいけない」と自らに言い聞かせた。

 「今のチームはこの15年の中でも戦い方、気持ちが高いところにある。勝つ確率は上がっている」と中村。細かくパスをつないで相手を押し込む厚みのある攻撃は健在で、今大会では決勝トーナメントの4試合で計12得点。仙台との準決勝では第1戦で0―3から1点差まで追い上げ、第2戦は退場者を出しながらも3―1で勝利。粘り強く8年ぶりの決勝進出を果たした。

 「あの悔しさは忘れていない。みんなが同じ方向をむいたから、ここまで来られている」。昨季はJ1チャンピオンシップの準決勝で敗退。初の決勝だった天皇杯でも延長戦で力尽きた。主力のほとんどが残った今季、一人ひとりのタイトルへの執念が、大きな力になっていると感じる。

 昨季、史上最年長でJ1のMVPに輝いた中村。ルヴァン杯決勝は37歳で迎える最初の試合だ。「いまの自分がベストというイメージでやれている」。衰え知らずの頭脳と技術で歴史を変える覚悟だ。(清水寿之)

11/4(土) 5:07配信 朝日新聞
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