グラビアアイドルがテレビタレントや女優への足がかりとして“良い”お仕事だった時代といえば、1990年代半ば〜2000年代前半頃までだろうか。
今では女優として活躍する小池栄子(36)、優香(37)、酒井若菜(37)や井上和香(37)、テレビタレントの地位を確立した眞鍋かをり(37)、
釈由美子(39)、安田美沙子(35)に熊田曜子(35)、売れっ子とは言えないが細々とテレビ出演を続ける多数のグラドル、結婚などで見かけなくなったグラドルも大勢いる。
若槻千夏(33)はグラビアアイドル→テレビタレント→実業家とステップを踏んだし、杉原杏璃(35)や磯山さやか(34)は現役、
安めぐみ(35)や小倉優子(33)は“ママ”タレント。圧倒的な女性支持を獲得して大成した井川遥(41)という存在もあった。

テレビで稼ぐというコースにうまく乗れたグラドルたちは、“芸能人”になれた。
一方で、“半芸能人”程度の知名度にとどまり、消えたグラドルは星の数ほどいる。
そして現在、週刊誌や青年・少年マンガ誌、男性誌といったグラビア主戦場にいるのは、グループアイドルのメンバーや、女性誌でモデルを務めるモグラ女子が多い。
年輩男性に向けて、40〜50代になったかつてのグラドルがヌードを披露することもあるが、10〜20代のグラドルがテレビコースに乗れる確率はグッと下がっただろう。

写真集やイメージDVDを出したところで何万部も売れることはない。
撮影会やイベントで細々と稼ぐ。
そうしたギャラと深夜番組などの出演ギャラはたいして多くないと推測されるが、彼女たちは食えているのだろうか。
そして彼女たちが所属するプロダクションも、やっていけるものなのだろうか。大変素朴な疑問が湧く。

発売中の「フライデー」(講談社)が、現役グラドル50人に『エッチなアンケート』を敢行し、その調査結果を発表している。
それによれば、「年収300万円以下だ」という設問に「YES」と答えたのは32%で、「NO」が68%。
つまり、34人は年収が300万円以上あるということになる。

そこに登場する50名のグラドルのうち、筆者が名前を知っているのは、柳瀬早紀(29)、星名美津紀(21)、中川杏奈(30)、菜乃花(28)、鈴木ふみ奈(27)の5名だけだった。

ほとんどが、写真集発売経験もメジャー誌グラビア経験もない、いわゆる“売れていない”ように見えるグラドル。
イメージDVDを出してソフマップで握手と水着撮影のイベントを行う以外にも、何でそんなに稼ぐことができるのか、不思議に思う読者は少なくないのではないだろうか。

グラビアアイドルという職業がそれだけで成立するほど、イメージDVDが売れて儲かる仕組みになっているとも考えづらい。
「売れたら売れたぶんだけ給与としてもらえる」のではなく、撮影前に「1本のイメージDVDを撮影することで出演料として30万円支払う」といった契約をかわしているのが普通だろう。
彼女らが年間300万円以上の収入を得ているのが本当だとすると、その内訳は、おそらくは撮影会がメインとなっている。
カメラを趣味にしている男性をターゲットにした撮影会を企画、開催。1コマ3万円の参加費を募り、1日で5人の客が来れば15万円だ。
スタジオ代を引いても、それを月に3回開催できればなかなかの収入になる。
もちろんプロダクションに所属していれば、事務所に上がりを取られるため、グラドルの手取りはだいぶ減るわけであるが。

ちなみに、近頃テレビで言及の機会が増加している「枕営業」についての設問もあった。
「枕営業の誘いを受けたことがある?」の回答は、「YES」28%、「NO」62%、「無回答」10%。“誘い”を受けた14人が、その誘いに乗ったかどうかは不明だ。
プロダクションやクライアントとの関係性において、その誘いを断る権利がグラドルに与えられているのかどうかもまた、不明である。

http://dailynewsonline.jp/article/1370444/
2017.10.29 15:00 messy / メッシー