■20代主演俳優は朝ドラ経験者に集中

ちなみに、今年連ドラ主演を務めた20代俳優は、1〜3月の冬ドラマでは、西内まりやさん(放送当時23歳)、吉高由里子さん(同28歳)、波瑠さん(同25歳)、松坂桃李さん(同28歳)の4人。
4〜6月の春ドラマでは、波瑠さん(同25歳)、桐谷美玲さん(同27歳)、濱田岳さん(同28歳)、多部未華子さん(同28歳)、窪田正孝さん(同28歳)の5人。

7〜9月の夏ドラマでは、窪田正孝さん(同29歳)、渡辺直美さん(同29歳)、高畑充希さん(同25歳)、武井咲さん(23歳)、福士蒼汰さん(同24歳)の5人。
減っているうえに、その大半を中高年視聴者の多い朝ドラ経験者が占めています。

かつて「ドラマ黄金期」といわれた1980年代後半から1990年代は、20代の主演俳優が主流でした。
織田裕二さん、福山雅治さん、吉田栄作さん、唐沢寿明さん、江口洋介さん、木村拓哉さん、鈴木保奈美さん、中山美穂さん、山口智子さん、
深津絵里さん、常盤貴子さん、和久井映見さん、松雪泰子さんなど、次々に20代のスター俳優が誕生。
以降、現在までの十数年でジワジワと高齢化が進んでいたのです。

「平均年齢44.5歳」を一般企業に置き換えると、課長から部長クラスの管理職にあたり、20〜30代の社員とは目線が異なるのは明らか。
やはり若年層よりも、中高年層の目線で作られている様子がうかがえます。

以前のドラマ業界では考えられないほど高齢に偏っているのは、なぜなのでしょうか? 

■1つの収入と評価指標への依存

そのヒントは、今秋に放送されているテレビ朝日の3作に見え隠れしています。「相棒」「科捜研の女」「ドクターX」とすべてシリーズ作であり、
主演はいずれもベテラン俳優。さらに、中高年層の好む刑事・医療ドラマでメインターゲットにしているのです。

テレビ朝日ほど顕著ではありませんが、他局も「30代以上の視聴者を重視する」という基本スタンスは同じ。
だから30代以上の主演俳優を起用し、事件・病気・社会問題などの骨太なテーマを採用しているのです。