プロ野球の新人選手選択会議(ドラフト会議)が、26日に都内のホテルで開かれる。
高校通算最多とされる111本塁打を放った早実・清宮幸太郎内野手(18)に、7球団の1位指名が集まる見通しとなった。
すでに1位指名を公表している阪神は都内で前日会議を開き、金本知憲監督(49)が競合した場合のクジ引き役を務めることが決定。
2年前のドラフトで高山を引き当てた時と同様、直感を信じて挑む。

指名する側にとっても、される側にとっても、運命の1日を迎える。金本監督はかねて公言した通り、競合覚悟で清宮を1位入札する。
この日の会議終了時点で「(競合球団は)分からんけど、6か7くらいかな」と見通しを立てた。
そのクジ引き役にも自身が正式決定した。

「(1位・清宮は)そのままです。(クジは)行きますよ。(験担ぎは)いや、特に。言いません(笑)」

猛虎の将来を占う特別な抽選に、自然体で臨む。球界の慣習としてドラフトの競合抽選に臨むクジ引き役は、少なからず験担ぎをすることが多い。
例えばネクタイなど身につけるものをラッキーカラーにしたり、神社などにお参りに行ったり、自信のある方の手で引いたり…。
近年の猛虎でも、12年ドラフトの和田監督は神田明神で願掛けをして抽選に臨み、4球団競合の藤浪を引き当てた前例がある。

しかし、金本監督は「普段着」を貫く。験担ぎは「特にない」。ネクタイも「適当に持ってきた」。
2年前に高山の当たりクジを引いた左手で引くかどうかも「どうやろう」。
高山の時は一度、手にしたクジを置いて、もう一方を引いたが、その時の判断材料は「直感やったね」――。

セ・リーグ2位の阪神はおそらく、くじ引きは後ろから2番目。当たりは、もう先に引かれて残っていないかもしれない…とは考えない。
2枚ある中に当たりがあると信じて、50%の確率となるその1枚を直感で引き当ててみせる。

「(魅力は)数字そのものでしょう。(高校通算本塁打を)100何本も打っていて、体も強そうだし、柔らかさもあるし、飛ばす技術、とらえる技術もある。
将来の4番候補でしょう、うん。会社を挙げて、是非ともほしいね」

今季を2位で戦い終えた。来季、頂点を勝ち取るための補強ポイントは長打力のある助っ人と、先発投手であることは明らかだが、それを超越しているのが清宮だ。
人気、実力を兼ね備えた将来の中心打者。タテジマを着て、甲子園でダイヤモンドを一周する姿しか、思い浮かばない。

http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2017/10/26/kiji/20171026s00001173055000c.html
2017年10月26日 05:30