今オフは日本人選手の去就が、日米で注目を集めそうだ。

 中でも最大の関心事は今季途中、ドジャースに移籍したダルビッシュ有(31)。11年オフにレンジャーズと交わした総額46億円の6年契約が満了するからだ。レンジャーズから選出された今季の球宴前日の会見で球団への愛着を口にしたダルは「好きというのと、契約をするというのは別の話。ビジネスなので」と話しており、今オフは複数年の大型契約をもくろんでいる。

「ドジャース移籍後は9試合で4勝3敗、防御率3.44と結果を残した。来年の8月で32歳と投手としてピークに達するとはいえ、潜在能力は十分だけに、5年1億5000万ドル(約164億円)の巨額契約を手にできると思う。ドジャース、レンジャーズが手を引いても、資金力が豊富で先発陣が手薄なカブス、ジャイアンツの2球団が獲得に乗り出すでしょう」(スポーツライター・友成那智氏)

 カブスのサイ・ヤング賞右腕アリエッタと並び、今オフのFA市場の目玉であるダルにはオファーが殺到しそうだ。一方、見向きもされない日本人投手もいる。

 今オフ、7年契約を破棄してFAになる選択肢を持つヤンキース・田中将大(28)は、今季序盤の不調もあり、FA市場に出ても買い手は現れそうにない。

「契約を破棄せずにヤンキースに残留するでしょうが、来季はエースの座を23歳の若手右腕セベリーノ(14勝6敗)に奪われかねない。今季のように不安定な投球が続けば、年俸22億円の不良債権と化す可能性もある」とはヤンキース担当記者だ。

■イチローはGM補佐に転身も

 今年で契約の切れるマリナーズのベテラン岩隈久志(36)にとっても厳しいオフになりそうだ。

 今季は6試合(0勝2敗、防御率4.35)に登板しただけで、5月に右肩炎症で故障者リスト(DL)入り。そのままシーズンを終え、9月27日には右肩のクリーニング手術を受けたが、復帰までに5カ月かかり、来季の開幕は絶望的だ。ただでさえ、故障リスクが高い上に、来年の4月で37歳と年齢的にも上積みは期待しにくい。

「メジャーに残れるとしても、先発5番手。1年300万ドル(約3億3000万円)に出来高を厚くした契約になる」(ナ・リーグスカウト)

 メジャー最年長野手のマーリンズ・イチロー(43)は今季限りでの退団が有力視されている。

「投資家の1人として球団を買収し、編成担当取締役に就任するジーターは、メジャー最高給(13年総額374億円)の主砲スタントンの放出に動くといわれている。ジーターは長距離砲の穴埋めに、内外野を守れる強打者を補強するとみられ、イチローは用済みになる。過去の実績を評価してジーターはイチローにGM補佐的な役職を与えるのではないか」(前出の友成氏)

 ダル以外は厳しい現実を突き付けられることになる。

日刊ゲンダイDIGITAL2017年10月9日09時26分
https://news.infoseek.co.jp/article/gendainet_419752/?ptadid=