『愛が生まれた日』が生まれたドラマ 仲村トオルと世良公則の間で揺れる藤谷美和子〜1994年『そのうち結婚する君へ』より/懐かし番組表

地上デジタル放送化に伴い、テレビ番組表というものから遠ざかってしまった人もきっと数多いだろう。
WEBメディア『テレビPABLO』では、そんな大人のためにかつての番組表を紐解きながらタイムトリップをお届けしたい。
ウン年前の今日、夢中になって観ていたテレビは何だったのか? テレビ情報誌『テレパル』(小学館刊)の番組表と共に、
当時の世相を振り返ってみよう――今日は1994年3月12日にタイムスリップ。

23年前の今日、1994年3月12日の『テレパル』番組表からは日本テレビ21時『そのうち結婚する君へ』をクローズアップする。
タイトルでピンとこない人でも、藤谷美和子×大内義昭のデュエット『愛が生まれた日』を覚えているだろう。
当時、うまくハモれれば新宿歌舞伎町のキャバ嬢にはそこそこモテたはずだ。
主演の藤谷美和子は当時“プッツン女優”と言われていたが「意外と歌うまい!」と評判で、この曲でこの年の“紅白”にも出場している。

実は『愛が生まれた日』は挿入歌。主題歌は池田聡の『思い出さない夜はないだろう』。
前年『ポケベルが鳴らなくて』で連ドラデビューし、このドラマでも仲村トオルの後輩の役で出演していた。

どうしても『愛が生まれた日』の印象が強いドラマだったが、実は全11話の平均視聴率21%、最終回視聴率はなんと29.8%(いずれもビデオリサーチ関東地区調べ)という高視聴率ドラマ。
企画・原作が秋元康、脚本を遠藤察男、演出は雨宮望と堤幸彦が担当。このドラマの次に放送された『家なき子』(最終回37.2%)の数字がすご過ぎてかすんでしまったようだ。

1994年3月12日『そのうち結婚する君へ』(日本テレビ)/『家なき子』の大ヒットにかすんでしまった高視聴率ドラマ

古沢佳子(藤谷美和子)は美容師で、恋人の唐島信人(仲村トオル)との結婚を間近に控えていたが、
予約していた結婚式場の手違いにより式が3か月延期になってしまい、籍だけ入れて唐島家に嫁入りすることに。
ちょうどその頃、佳子は元恋人の小田沼健治(世良公則)と再会する。

健治は佳子と同じ美容室に勤務する栗原麻美(坂井真紀)の異母兄で、佳子と別れてからはその破綻の原因であったいい加減で無責任なところが消え、
今ではホテルチェーンの後継者として立派な男になっていた。
健治は離婚寸前ということもあり、再会した佳子に急接近する。

佳子は一緒に暮らしてみてわかった信人の器の小ささや優柔不断な部分に幻滅を感じていた上、信人の母・かな子(吉田日出子)の嫌味な態度に辟易し、信人との別れを考えるようになる……。

元恋人の登場に揺れるヒロイン……つい先日終わったばかりの『奪い愛、冬』(テレビ朝日)と同じ基本構造。
ただしこちらには水野美紀が演じた“蘭さん”のような飛び道具は出てこないし、藤谷美和子は世良公則に傾きかけるがきっぱりと別れ。仲村トオルとも別れる。
そして“奪い愛”での三浦翔平の立場の仲村トオルは三浦翔平ほど怖くはならない程度に藤谷美和子を追いかける。

恋愛事情や結婚事情は23年前とはずいぶん変わったようだが、“元カレ”という存在や三角関係がドラマや映画の題材になりやすいのは今も昔も変わらない。
それにしても23年前は“飛び道具”なしでも最終回に30%近い視聴率を出せたのは、
観る側がそれだけ素直だったということだろうか。
『そのうち結婚する君へ』を思い出すと、つくづく最近の連ドラのハードルの高さに溜息が出る。

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https://www.youtube.com/watch?v=92PVcQfePcI
【懐かCM】1994年 そのうち結婚する君へ 〜Nostalgic CM of Japan〜

https://www.youtube.com/watch?v=LnI7XfT53II
愛が生まれた日 藤谷美和子 大内義昭

https://www.youtube.com/watch?v=YkA0VcmRTJo
愛が生まれた日