【取材雑感】嵐の松本潤(33)が、自身が主演を務めた映画の舞台挨拶でみせた姿は、トップアイドルではなく、
役者、一人の大人の男としての魅力を感じさせた。

 松本が主演を務めた映画『ナラタージュ』(10月7日公開)は、島本理生氏の同名小説を『世界の中心で、愛を叫ぶ』
などの作品で知られる行定勲監督が映画化したもので、ヒロインを女優の有村架純が演じ、妻を持つ高校時代の
演劇部顧問の葉山(松本)と再会した、泉(有村)との禁断の純愛物語。行定監督が構想に10年を掛けたという
渾身の作品だ。

 その完成披露試写会が去る8月23日に都内で開かれた。試写会前には、会場外に設けられたレッドカーペットで
ファンブリーディングも。タキシード姿でビシッと決まった松本。集まった報道陣の前までドレスアップした
有村の右手を取り、優しくエスコートする姿は紳士のそれ、そのもの。

 レッドカーペット上では、笑顔で集まったファンと交流。黄色い声援が終始収まることはなかった。

 舞台挨拶では、行定監督とプライベートで会ったことをきっかけに今回の出演が決まったエピソードも
明かされた。「行定監督の作品に出れるということが嬉しかったです」と喜んだ。

 一方で一人の役者として真摯な姿も。台本を初見した際、松本が演じる葉山の人物像がよく分からなかったという彼は
行定監督とプロデューサーに直接会い、話を聞いた。松本は「その時に葉山という人物を、こういう風に映したいと
言われた言葉が素敵で、演じることが楽しみになりました」と振り返った。

 松本は1999年に嵐としてデビューするよりも前に、1997年にTBS系の2時間ドラマ
『保険調査員 しがらみ太郎の事件簿 讃岐殺人事件』で、テレビドラマデビューを果たしている。
その年にはKinKi Kidsの堂本光一と堂本剛が主演を務め、話題を呼んだ『ぼくらの勇気 未満都市』に
嵐の相葉雅紀とともに初のドラマレギュラーとして出演しており、役者としても20年のキャリアを持つ。

 8月30日に、34歳の誕生日を迎えた。スタッフからサプライズでバースデーケーキが贈られ、
「いやいや、いいっすよ(笑)」とはにかむ姿も。ケーキには映画のタイトルと掛け、“ナラタージュン”という文字が
装飾されていた。

 松本は「まさか、タイトルと僕の名前でギャグができるなんてね」と言い、感心した様子。しかし、
写真撮影の際には「ン」の文字が取り除かれ、「ナラタージュ」に。「え!? それ取っちゃうの? まあ、そうだよね…」と
苦笑いするも、会場の笑いを誘った。

 行定監督からは「大人のかっこいい男だと思っています。正義感強すぎるほど強いので…かっこいい松潤で
いてくれればと思います」とベタ褒めされた。

 この日の取材では、普段のメディアを通して見る、嵐の松本潤とはまた違った、しかし、やはりどこを取っても
格好良く映る彼の魅力を、随所で見ることができた。【取材=松尾模糊】

ミュージックヴォイス
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