日本代表のジーコ監督は、ワールドカップ1次リーグ敗退が決定的となったクロアチア戦(18日)直後の共同インタビューで、2試合連続の酷暑を強調、「テレビ局がそれを望んでいる以上、仕方がない」と熱く語った。だが、この部分を新聞は報じず、書いたのは夕刊紙(日刊ゲンダイ)くらいのものだった。
 後述の沢木耕太郎の連載でも述べられているように、ジーコ監督はこれまで、どのような敗戦も受け入れ、外的要因のせいにすることはなかった。しかし、テレビを観た人はご存知のとおり、冒頭から、酷暑について、かなり強い調子で執拗に語っていた。

 「テレビ局側の都合もあるのだろうが…」と、聞こえないくらいの早口で同時通訳していたのを、聞いた人も多いだろう。神保哲生が「その部分だけ訳しませんでした」とブログで書いている ように、確かに、訳さなかったと言われても仕方がないくらいの、自粛した訳し方だった。

 日本はテレビ局が新聞社の系列下に置かれており、一心同体だ。たとえば、クロアチア戦を放送したテレビ朝日の社長は、必ず朝日新聞社から天下ってくる。当然、サポーターの怒りを買いたくない新聞も、ジーコのこの部分のコメントは、綺麗に削除している。

 各紙に配信している共同通信も、新聞社を顧客としているため、書けない。たとえば以下のとおりだ。
http://www.mynewsjapan.com/reports/374