人間は進化の過程で、周囲で起きているポジティブなことよりも、ネガティブなバイアスの方が
はるかに強いと認識する傾向を持つようになっています。

何千年もの間、人間は身に迫る脅威に即座に反応しなければいけないため、体と心はそれに応じて進化してきました。
現代のメディアは、人々の注意を引くことで利益を得ることができるビジネスをしています。
メディア各社は、僕たちの注意を引くための戦いを繰り広げているわけです。

人間がネガティブな事柄に注意を払う傾向があるなら、メディアはネガティブなニュースを流したほうが
注意を引くことができます。
たとえば、100個のニュースがあって、そのうちの1個だけがネガティブなものがあるとします。
すると、社会全体はネガティブなものに最も注意を払う傾向があるわけです。

そして、ほぼすべてのメディア事業社は、同じような情報をほぼ同時に入手しているため、
入手したネガティブ情報を最もドラマチックに発信できるかどうかを競い合っているわけです。
これがメディアの正体です。

ひとつ実験をしてみてください。ニュースの見出しをピックアップして、肯定的なニュースと否定的なニュースの
数を比較してみてください。おそらくほとんどがネガティブなニュースのはずです。