世界減速懸念下での米中経済指標、今週も悪化警戒が続く

米国の経済指標は、貿易対立や世界減速による打撃が顕在化してきた。今週は11-13日の物価指標で低迷が見込まれるほか、14日の小売売上高や鉱工業生産、消費者信頼感指数なども下振れが警戒されやすい。
その反面、米国では金利低下や利下げ期待、原油安などが景気の下支え要因にもなってきた。米国の指標悪化は織り込みも進捗しつつあり、市場の期待値が大きく低下している分だけ、「懸念ほどには悪くない」という個別指標にも注意を要する。

今週の中国市場では、12日に物価指標、14日に鉱工業生産や小売売上高などの経済指標が予定されている。米中貿易対立の激化や世界減速などにより、中国指標は悪化リスクの警戒モードが続く。
ただし、10日の中国5月貿易統計では、輸出が予想外の改善となった。米国による追加関税増強前の駆け込みなどもあり、中国の指標が短期的に持ち直す可能性もある。