【よろずのつぶやき by Wada】関係ないし

安倍首相が下院で敗退を喫したトランプ米大統領と電話会談を行い、「上院の勝利に祝辞を述べた」よう
ですが、この敗者無き米中間選挙は、米国の「超楽観主義」という、「俺がどうにかなるって言えば、なる
んだよ」という、いい意味でも悪い意味でも、「これぞアメリカ」というところを、まざまざと見せ付けられて
いますね。

NY勢としては、「ねじれ国会」など、何とも思っておらず、むしろ、逆に「政権への監視機能が強化されてよ
かった」との声も聞こえてきているわけで、このどこからともなく湧き出てくる米国市場の自信といったもの
が、相場を安定させているのかもしれません。

昨日は、FOMCが政策金利であるFF金利の誘導目標を据え置きましたが、声明文では「設備投資」への認
識が若干下方修正されたほかは、ほとんど変り映えのない文言。市場はこれを「タカ派」と判断すると、米
長期金利の上昇とともに、全般ドル買いに走ることになりました。

ところで、この変り映えの無い声明文のどこが「タカ派」なのか。まさに、変っていないこと自体が「タカ派」
だったといえます。つまり、米中間選挙を前にした急速なポジション調整が起きた10月の株価急落に対して、
「何の言及もなかった」という事実。

トランプ米大統領から「気に入らない」とのレッテルを貼られているパウエルFRB議長からの、「そんなの
関係ないし」といった、明確な返答だと考えることもできますね。FOMCとしては、あくまでも、「四半期に一度」
の金利引き上げといった予定通りのメインシナリオを進んでいるわけで、外野の声に惑わされることはないと
いうことなのかもしれません。

いずれにしても、本日は週末とあって、東京勢は「仲値後は開店休業」状態。ダウ平均が、米10年債利回り
の3.2%台にようやく拒否反応を示さなくなってきているところをみると、もう一段の水準訂正が行われても
不思議ではありません。