東京電力「トリチウム水海洋放出問題」は何がまずいのか? その論点を整理する
https://hbol.jp/174094
トリチウムは「遺伝子を破壊する悪魔の放射能」などと呼ばれますが、実際には生物濃縮せず、
水として体内に摂取した場合の生物学的半減期は約10日、有機物として摂取した場合は40日で、
多くは水として取り込まれますので、「体に取り込みやすく出て行きやすい」放射性物質です。
また水ですので、体の特定の部位に集まって滞留すると言うことは起こりにくいです

政府、東電は、大型タンクでの長期間保管は議論の俎上に上げないという内々での申し合わせをし、
海洋放出を唯一の現実的解にして公聴会を締めるつもりでした。これはいつものPAの手法で、
公聴会の形骸化そのものでした

実際にはトリチウム以外に告知濃度限度を超えるヨウ素129、ルテニウム106、テクネチウム99、
ストロンチウム90が過半数の測定で検出されていました。東電はそのことを認識していましたが、
生データを公開していたものの、事実を説明していませんでした。生データは膨大であり、
精査しなければわかりません。そうした上で、東電はこれまで、「測定している62種類の放射性物質は、
他核種除去装置によって告知濃度限度以下まで除去でき、残るはトリチウムだけである」と説明してきた

実際にはトリチウムの半減期が約12年ですので、2020年以降の増加量も勘案して環境放出には
約25〜30年かかることになります。ただし、地下水などの経路からのトリチウム放出の分を
加えなければいけませんので、実際には30〜40年かかることになります。
国と東電は、7年間で海洋放出を完了するつもりですので、これもつじつまが合いません。