敵の迫り来る刃や、転がる仲間の死体、観客の野次や罵倒、流れる血
それらの「どうでもいい経緯」は淡々と処理し、常に「最後に立つ」事だけを見据えて俺はこのコロシアムにいる
俺は敵の迫り来る刃を華麗に躱したり、転がる仲間の死を嘆いたり、観客の野次を歓声に変えたり、流れる血を止血する為にここにいるわけじゃないからな
何故、ここにいるのか
そう、勝つ為だ
俺は勝つ為、つまりは最後に立っている勝者になる為だけにここにいる
あっという間に倒れて消える養分とはコロシアムに入る前の覚悟から違うという事だ
敵の刃が刺さってもよい
仲間が死んでもよい
観客に罵倒されてもよい
血が流れてもよい
そう、最後に立っていれば
勝利とはそういものだ