S&P:日本の格付け見通しを「ポジティブ」に、従来「安定的」

S&Pグローバル・レーティングは13日、日本の長期ソブリン格付けのアウトルックを「安定的」から「ポジティブ」に変更した。格付けは「A+」に据え置いた。

発表によると「ポジティブ」のアウトルックは、名目経済成長率が2%を超え、実質実効金利がマイナスであることで、政府債務残高が従来の予想よりも早く安定化するとの見方を反映した。
強い対外ポジションや多様な経済、政治の安定性、グローバルな準備通貨としての円の役割が日本の格付けにとってプラス要因である一方、人口の高齢化と長期にわたる
低インフレ率を背景とした脆弱な財政状況はマイナス要因としている。

経済見通しの改善と高所得が経済の耐久性を支えているほか、訪日外国人による観光消費とヘルスケア分野の需要が雇用と投資の伸びを後押しし、成長見通しの上向きに寄与しているとみる。

円が準備通貨であることがソブリンの信用力を支え、対外財政指標も今後3−4年の経常黒字によって向上する可能性が高いと予想している。