続き

 ――国への報告は。

 「経済産業省に報告し、いくつか指摘をいただいた。法令違反や安全性の事実関係の究明、お客様への丁寧な誠意ある対応、こういう形でのみなさまへのお知らせ、可能な限り原因究明と再発防止策を、と」

――出荷先の業界は。

 「個社はいえないし、業界もご容赦いただきたい。自動車が含まれるかどうかも私どもからはいえない」

 ――自動車に使われていれば、リコール(回収・無償修理)に発展するのでは。

 「お客様と協議中。可能性はゼロではないが、現時点ではうかがっていない」

 ――決算は17年3月期まで2年連続で純損益が赤字。経営陣からのプレッシャーがあったのでは。

 「むちゃな形で生産目標、業績目標を徹底的に追求して、未達成なら懲罰をするというマネジメントはなかったと思う。一方で、納期を切らすとお客様の生産ラインがとまる。そちらのほうがプレッシャーがかかる」

 「不適切な製品を出荷したことで、すぐにクレームにつながったわけではない。これぐらいなら何とかお客様が使いこなしてくれるのでは、問題ないのではと経験的に感じて、人事異動の少ない工場で長年やっていたのではないか」

おわり