【神戸製鋼】アルミ製品強度データ偽装、組織ぐるみで常態化 10年前から 「納期の重圧」
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0001 ばーど ★ 2017/10/08 23:48:52
 神戸製鋼所でまた、品質管理の不祥事が発覚した。
自動車に使われるアルミニウム製品の強度などを偽って出荷。
1年前、グループ会社でばね用ステンレス鋼線の強度偽装の不祥事が起きたばかり。
不正は本体を含む「組織ぐるみで常態化」していたことになる。
信頼性は損なわれ、経営責任が厳しく問われる。
 
 8日に記者会見した梅原尚人副社長は、「実際に手を下したり、黙認したりしていたのは管理職を含めて過去1年間で数十人」と語り、
「組織ぐるみか」と問われ、「はい」と答えた。

 不正の背景は、「納期を守り、生産目標を達成するプレッシャーの中で続けてきた」と分析。
一方で、「品質に関する意識が弱いとは考えていない。
(納入先との)契約を守る意識が低かった」と釈明した。

 不正は、今秋の社内監査を控え、工場での自主点検で見つかった。
梅原氏は「かなり古い時期から(不正が)あった」とも話した。10年前から改ざんが続いているケースも確認され、常態化の可能性を認めた。
今回、検査回数を少なくする手抜きも発覚した。

 昨年の不祥事発覚で、「一気に是正すると影響が大きく、踏み切れなかったようだ」と説明した。
再発を防ぐ取り組みが不十分だったと認めた形だ。

 経営責任について梅原氏は「経営陣も、もちろん責任を考えていく」とした。

 同社は国内3位の鉄鋼メーカー。不正の対象製品は自動車、航空機、電子機器など幅広い分野に及ぶ。
トヨタ自動車や三菱重工業グループ、JR東海など出荷先は約200社。
品質軽視の組織ぐるみの不正は、日本のものづくりの土台を揺るがしかねない。トヨタは8日、「安全を最優先に考え、影響を早急に確認する」とコメントを出した。(小室浩幸、野口陽)

     ◇

 神戸製鋼所は8日、アルミや銅製品で強度や寸法などを偽装していた問題で、梅原尚人副社長が記者会見を開いた。
問題のある製品は、真岡(栃木県)など4工場から自動車メーカーなど約200社に出荷されていた。主なやりとりは次のとおり。

 ――関与した社員は。

 「調査中だが数十人。この1年間で、のべ人数ではない。管理職も含まれている。
実際に手を下した、知りながら黙認していた、うすうす知っていた。いろんな段階がある。
いまは第三者の法律事務所が入って事実調査や再発防止策を考えている。われわれ経営陣も責任を考えていく」

 ――組織ぐるみか。

 「はい」

 ――2016年にもグループ企業でデータの改ざんが発覚したのに、なぜまた起きたのか。

 「法的規格に違反していないかは、かなり高い関心をもって教育や監査をした。
今回は法的規格ではなく、民間のお客様から求められた仕様を逸脱して書き換えた。
民間同士の契約に関する管理、監査あるいは教育が不十分だったと思っている」