ゴーンに国外追放&暗殺の可能性 レバノン反政府デモ拡大で
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 日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告の逃亡先レバノンで、大規模な反政府デモが続いている。
首都ベイルートでは18、19日、デモ隊と治安部隊が衝突。2日間の負傷者は490人を超え、
昨年10月に反政府デモが始まって以来、最悪の衝突となった。レバノン政府に“庇護”されている
ゴーン被告も安泰ではなくなってきた。

 レバノンは、2011年からシリア内戦の影響で経済低迷が続く。10年前、年8〜9%だった
経済成長率はここ数年、1〜2%で推移。19年はゼロ成長だった。インフラ整備が遅れ、停電は
日常茶飯。35歳未満の失業率は37%に上る。庶民は苦しい生活を強いられる一方、政治腐敗が
蔓延し、支配層は特権を享受している。

■特権階級に不満爆発

 こうした支配層への不満が爆発し、デモは若者を中心に、政治信条や宗派を超えて、自然発生的に
広がっているのだ。レバノン政府が増税撤回や閣僚・議員給与半減を打ち出し、首相が辞任表明しても、
デモは収まらない。政権はかなり追い詰められている。

 現代イスラム研究センター理事長の宮田律氏が言う。

「政権交代が実現しない限り、デモは簡単に収まらないでしょう。政権交代があった場合、新政権下で
ゴーン被告がそのまま“庇護”されるとは考えにくい。デモの参加者はゴーン被告について、私腹を肥やし、
日本から逃亡したのに、特権階級だから、特別に庇護されているとみているからです。ゴーン被告は、
デモのターゲットとなっている支配層の象徴のようになっている。ゴーン被告を国外追放したり日本へ
送還しなければ、レバノン国民は黙っていないでしょう」