● 予算を上回る支出、常態化 膨張を隠してきた?内閣府

 問題の深刻さを感じさせるのは、安倍長期政権のもとでさんざん指摘されてきた「忖度」や官僚組織の「弛緩」
への疑念、が桜を見る会の問題でも垣間見られることだ。

 毎年度、予算を大幅に上回る支出が常態化しながら、どこもストップをかけようとしなかったこともその一つ。

 桜を見る会の参加者数は、安倍政権になって年々増え続け、14年の1万3700人から19年は1万8200人。支出額も
14年の3005万円が5519万円に増えてきた。

 だが内閣府は予算要求の際、参加者数を8000人と実態より大幅に少なく見積もり、15年度以降の予算計上額は
1767万円とずっと同じだ。

 予算を超えた分は、「庁費」と呼ぶ、さまざまな事務費をまかなう会計課所管の一般共通経費から融通してきており、
「毎年の桜を見る会の参加人数が読めない状況で、最低限の人数を前提にして予算要求をしてきた結果」という。

 だが、前年の状況から判断すれば、ある時期からは参加人数が増えるのは予想できたはずで、政治の要求に受け身で
応じながら、桜を見る会の予算を庁費にもぐりこませて、増額を目立たないようにしてきたのが真相ではないのか。