首相夫人の関与についても、「安倍事務所で参加希望者を募る過程で夫人からの推薦もあったのは事実」
と、認めた。

 昭恵夫人は、国有地の不透明な売却が批判された森友学園問題で、同学園が新設予定の小学校の名誉校長
になり、昭恵夫人付きの政府職員が値引きなどを財務省に問い合わせていたことが批判された。

 政府は、昭恵氏について「公人ではなく私人」との答弁書を閣議決定し、夫人の国会招致を阻んできた
経緯がある。私人のはずの昭恵夫人が首相主催の公的行事の招待者の選定にかかわっていたことになる。

● 夕食会の「補助」はあったのか 公選法や政治資金規正法に抵触

 「私物化」に加え、公選法違反などに抵触する可能性がある資金面での不透明も払拭されていない。

 安倍事務所が「桜を見る会」の招待者に対して、前夜に都内の一流ホテルで開いていた夕食会では、
「1人5000円」の会費が徴収された。

 だがこのホテルで立食形式のパーティーをする場合、「1人1万1000円(宴会場使用料、税、
サービス料込み)」とされ、野党側の照会にもホテル側はそう回答している。

 ツアーは「安倍晋三後援会」名義で参加を呼び掛けていることから、会費に対して実際の料金との
差額分を後援会が「補助」した疑惑がくすぶる。公職選挙法(199条の2)で禁じられている
「寄付行為」にあたる可能性がある。