● 「首相枠」「与党枠」などが過半 昭恵首相夫人も推薦

 桜を見る会が、首相らの選挙区向けサービスの道具になっている実態は、菅官房長官が20日に
明らかにした今年の招待者の内訳でも浮き彫りになった。

 約1万5000人という招待者のうち、安倍首相の推薦が約1000人のほか、麻生副総理や菅官房長官、
官房副長官が約1000人、自民党関係者の推薦が約6000人。半分以上を政権中枢と与党の推薦者が占め、
政府は、「首相枠」や「与党枠」の存在を認めた。

 一方で、各界で功績・功労があった人として、各省庁が推薦した功労者や各国大使、勲章受章者らは
6000人程度という「本末転倒」ぶりだ。

 だが菅長官の説明についても、野党の調査で信ぴょう性が揺らいでいる。

 2014年の場合、参加者に招待状を送る業者向けに、内閣府が作成したとされる「仕様書」には、
「総理と(官房)長官等推薦者3400人」「与党推薦者2900人」と、記されていることがわかった。

 14年に比べると、政府が説明した今年の招待者は、首相推薦が大幅に減り、代わりに与党推薦が
倍以上に膨らんでいる。

 「政府説明は、首相の推薦者のかなりの部分を与党の推薦者の中に入れ込んで、首相の推薦者を
過小に見せようとしたのではないか」(共産党・田村智子参議院議員)との疑念が浮上している。

 さらに「首相枠」で、マルチ商法で破綻し特定商取引法違反容疑で捜査を受けた企業の元会長ら、
「反社会勢力」が招待されていた疑惑も出ている。